2021.5.9
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受け継ぐレシピ
「母の日」の5月9日は、“おふくろの味”と言われる家庭の味と母なる大地の恵みに焦点をあて、「受け継ぐレシピ」と題した特集。「食」を通して、地球や健康、家族や地域社会の絆を考えようという試みでした。
インタビューゲストに、料理家の麻生要一郎さん、神戸大学大学院農学研究科の山下陽子 准教授、コメントゲストには今年活動30周年を迎えるCharaさんをお迎えしました。
■まずは、料理家・麻生要一郎さんのお話。
一番初めに作ったお料理は、子供の頃、おばあちゃんがよく作ってくれたというチャーハン。嫌いだったピーマンを小さく刻んで入れてくれて、作れるようになったそうです。
毎日の献立を考えるとき、誰かのことを思いながらお料理したり、ふと頭に浮かんだものを作るのが楽しい!とのこと。
麻生さんのだしの取り方は・・・昆布と鰹節を使う。昆布をちょっとずつ入れながら味を確かめて入れるのがポイント。昆布を取り出して綺麗な色になるのを見ると幸せな気持ちになる! 昆布を少しずつ足して、自分のちょうどいい頃合いを見つけるのが楽しい。昆布を取り出して、鰹節を入れて、自然に下に沈んだら取り出してくださいね・・・とのこと。
麻生さんが次世代に残したいレシピは、「切り干し大根」など乾物を使ったお料理。保存したら旨味も増していくので、ぜひ家庭で常備して、上手に活用していって欲しいとお話くださいました。
麻生要一郎さんの著書「僕の献立 本日もお疲れ様でした」(光文社)は現在発売中です。
■次にお迎えしたのは、神戸大学大学院農学研究科の山下陽子准教授。
陽子先生は大学院で、食べ物と健康について研究されています。また「兵庫農漁村社会研究所」では、副理事長と食育研究部代表を勤められています。
日頃の食生活が、健康に関わってくる。病気を防ぐためには、ちょっとした体の変化にも気づかないといけない。そのためには、食べ物がとても大事!と陽子先生は言います。
陽子先生が研究している「ポリフェノール」は、植物が自分の生命を維持するために必要なもので、植物みんなが持っているもの。、という「ポリフェノール」 。カテキン、アントシアンなど、ポリフェノールは色素成分が多く、色の濃いもの・とくに"黒い食材"であるカカオ、黒大豆の種皮、大豆などにポリフェノールがたくさん含まれているそうです。
食べ方のコツは"酸性"になるといい!とのことで、お酢やレモンなどと一緒に頂くとポリフェノール が長持ちするそうです。
「この風土に合った食べ物が、私たちの遺伝子に根付いているので、地域地域にあったものを食べて、それを伝えていく食文化が大事。」と、未来へのメッセージで締めくくってくださった陽子先生でした。
■コメントゲストには、Charaさんをお迎えしました!
Charaさんの「お袋の味」は、素麺。出汁が濃い味付けで、鶏肉とネギがコロコロ入っていて、たくさん食べられるそうです。ちなみに、薬味は、ネギ多め、みょうが、ゴマもIN。
母として、2人のお子さんを育てたCharaさん。食育やしつけについて伺うと、子どもたちが小さいとき「お椀に手を添えなさい」と言うと、指一本ツンと添えたりして、笑っちゃっう...と思い出を語ってくださいました。美味しいものは、人を笑顔にできるんだそう。
お客さんがお家に遊びにきたとき、テーブルセットをしたり、お花を飾ったり、音楽を奏でたり、また遊びに行きたいなと思ってもらえるような場所を作るのが好きで、それが子ども達に伝わってると嬉しい、と話してくださいました。
- DJ:池田なみ子