2020.11.22
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アートとストリート・カルチャーの新たな発信基地、心斎橋PARCO <前編>
この秋、大阪・心斎橋のまちに9年ぶりにPARCOが帰ってきました! 新しい心斎橋PARCOはファッションやグルメなど約170のお店がある商業施設というだけでなく、イベントホールやシネマコンプレックス、ギャラリー、ワーキングスペースもあって、アート・カルチャー、テクノロジーなど多様な体験ができる場になっています。この番組では2週にわたって、PARCOが発信するアート・カルチャーを特集。ちわきまゆみによるアート関係の方々へのインタビューを通して、アートが「まち」と人々に対して果たす役割にフォーカスしました。
前編となる今回は、心斎橋PARCOのオープンに先駆けて2019年11月に再オープンした渋谷PARCOをちわきまゆみが訪問し、渋谷の現代アートギャラリー「NANZUKA」を主宰する南塚真史さんと、パルコミュージアムのプロデューサー高橋賢太郎さんにインタビュー。今回、心斎橋PARCOのオープンとともに大阪に上陸した実験的スタジオ・ショップ「2G」とグループ展「JP POP UNDERGROUND」を中心にお話を聞きました。
「2G」は、ベアブリックで有名なメディコムトイ社による「アートトイ」の要素、南塚さんによる「ギャラリー」の要素、ファッションキュレーター小木“POGGY”基史さんによるアパレル中心の「コンセプトショップ」の要素が融合し、渋谷PARCOでも最も話題になっている場。この度「2G OSAKA」として心斎橋PARCO 2Fに登場です。
「JP POP UNDERGROUND」は、南塚さんのキュレーションのもと各地で開催されてきたグループ展の最終章。NYとLAにあるJeffery Deitchギャラリーを巡回した「TOKYO POP UNDERGROUND」そして今年7月に渋谷PARCOにあるPARCO MUSEUM TOKYOで開催された「GLOBAL POP UNDERGROUND」を経て、「JP」=「JAPAN」=「日本」と銘打ち、満を持して大阪・心斎橋にやって来ました。
この展覧会場に展示されるのは、田名網敬一、空山基、山口はるみ、Haroshiなど総勢16名の作品。イラストレーション、デザイン、漫画、ストリートアート、アンダーグラウンドカルチャーなど、さまざまなバックグラウンドを持つアーティストたち作品をを並行して紹介しています。若手アーティストYOSHIROTTEN率いるYARが手掛けた“デストピア”をテーマにした空間・展示構成も見どころです。
南塚さんのギャラリストとしてのお仕事は、現代日本のアーティストたちを海外のギャラリーや国際アートフェアなどインターナショナルな場で紹介すること。「JP POP UNEDERGROUND」展にも登場するアーティストの他、彫刻家の流 正之も、力を入れてきた作家のひとり。「純粋芸術/ファインアート」とされてきた枠の「外側」にあったアーティストたちを、国際的な枠組みの中で再評価してもらうことにこだわり続けてきた南塚さん。番組ではそんな彼のアート観と心意気を、たっぷりと伺うことができました。
いま心斎橋PARCOの12階「滝の広場」には「JP POP UNDERGROUND」展と連動する形で、空山基による全長7mの巨大な「Sexy Robot」がフロアを突き抜けるようにそびえ立っています。この作品は今年の前半、渋谷PARCOの外側つまり街ナカに展示されていたもので、南塚さんのアイデアを高橋さんが渋谷区に掛け合って実現したパブリック・アート。Withコロナの時代、日本のカルチャーが止まっていないことを示し、まちに暮らす人々を明るく照らしたいというふたりの思いが込もっています。ぜひ、心斎橋PARCOで目撃してください。