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2020.8.23
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FUJI ROCK FESTIVAL在宅講座 〜フジロックが変えたもの〜 PART 2

8月16日(日)と23日(日)の放送では2週にわたって「FUJI ROCK FESTIVAL」を特集。

FUJI ROCK FESTIVAL(フジロック)は、1997年夏に誕生した国内最大級の野外ロック・フェスティバル。「自然と音楽の共生」をテーマに、20年以上にわたって毎年夏の3日間、新潟県苗場スキー場で開催されています。グリーン、ホワイト、レッドマーキーなどと呼ばれる複数のステージには、ビッグアーティストから注目のニューカマーに至るまで、海外や国内の数多くのアーティストが出演。日本全国や海外から、毎年10万人以上のお客さんが来場します。

今年のフジロックは8月の21、22、23日の3日間にわたって開催される予定でしたが、新型コロナウィルスの影響により来年2021年に開催が延期となりました。20数年ぶりの「フジロックのない夏」・・それならば、と運営事務局より石飛 智紹さん(SMASH)をゲストに迎え、さまざまな関係者のコメントを交えながら、フジロックの取り組みが社会を変えた5つのことに目を向けてみました。

2週目となる23日の放送では、さらに2つの「フジロックが変えたもの」をピックアップ。

4)リサイクルを具現化して自分ごとに 〜ごみゼロナビゲーション〜

97年第1回のフジロックではごみが問題になり、翌年の東京開催では絶対にごみを散乱させないようにしようとスタートさせた「ごみゼロナビゲーション」。この活動を始めたNPO法人 iPledge 羽仁 カンタさんが考える「フジロックが変えたもの」とは。

「フジロックでみんなが協力しあえる共通の問題はなにかを考えたら、ごみ問題でした。アーティストもスタッフもお客さんも、ごみは誰だって出しますからね。98年からゴミ袋を入場ゲートで配る活動をして、03年からはペットボトルをリサイクルして翌年の会場で配るごみ袋を作る活動をスタートしました。これは非常に手応えがありました。今年捨てた自分のごみが、来年自分が使う何かになる、という具現化がお客さんに伝わったようで、中身をきれいにして捨てるなどペットボトルの捨て方が変わっていきました」

フジロックでは他にも、ハイネケンを飲んだあとのビール紙カップが翌年のトイレットペーパーに資源循環される活動も行っていて、会場内すべてのトイレに掲出されているのだとか。「みんなよろしくね!」という意味を込めて。

ただ、石飛さんによると「フジロックは世界一クリーンなフェスでしたが、最近そうでもなくなっている現状があるので、気を引き締めている」のだそうです。

5)地域共生 〜地域の人々と一緒になって、地元が誇れるフェスをつくる〜

当初フジロック開催には反対意見が大勢だった湯沢町・苗場。SMASH代表 日高正博さんは現地に足繁く通い、地域の人々と交流を深めて「地元なくして俺はやらない!」と強く主張し、ようやく開催に漕ぎ着けたという経緯があったそうです。今や地域にとって重要な観光資源となり、地域が誇れるフェスになるまで育んできた、浅貝町内会長 師田 富士男さん、苗場観光協会 師田 輝彦さん、苗場プリンスホテル 清水 利一さん、湯沢町観光産業部長 南雲 剛さん、みなさんの声を集めました。

「冬のスキーがメインの苗場に、夏はフジロックという目玉ができたのは地域にとっては大きいことです。5回目ごろには町内の人々のほうから「こうしたらどうだろう」とアイディアが出始めたりしだしました。今はお客様も主催者も地域もプリンスホテルも、みんなで一致団結している感じがします。越後湯沢駅で新幹線を降りてシャトルバスに乗り込むまで、長い待ち時間を楽しんでもらえるアイディアをJRの駅員さんたちが考えています。来場したお客さんたちから「また今年も来たよ!」と声をかけてもらえたりして、苗場の祭に帰ってきてくれたような感覚があります。お客さんと地域の人々がフラットでいい関係を作れているんです」

なんと開催がない今年も越後湯沢駅ではフジロックグッズがいっぱい飾られて、いつものフジロックの風景になっているのだそう。湯沢町のみなさんの想いを感じるエピソードです。

来年は苗場でたくさんのみんなに会えますように!

  • DJ:野村雅夫
  • ゲスト:石飛 智紹(FUJI ROCK FESTIVAL運営事務局/SMASH)

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