5月26日(日)大阪・オリックス劇場で開催された佐藤竹善がオーガナイズする、世代もジャンルも超えたコラボレーションライブ!
【公演概要】
『佐藤竹善 Presents Cross your fingers 24』
■日時:2024年5月26日(日)17:30開演
■会場:オリックス劇場
■出演:佐藤竹善/大儀見元/塩谷哲/ジュスカ・グランペール
■ゲスト:ASKA/大黒摩季/鈴木瑛美子/Myuk
5月26日、大阪・オリックス劇場で、音楽イベント「佐藤竹善 Presents Cross your fingers 24」が開催された。本イベントは佐藤竹善がオーガナイズする、世代もジャンルも超えたコラボレーションライブとして1997年に始動。24回目の開催となる今年はスペシャルゲストに、ASKA、大黒摩季、Myuk、鈴木瑛美子が。そしてステージの音を支える、長年の相棒でもあるピアニスト・塩谷哲、パーカッショニスト・大儀見元、昨年に続きジュスカ・グランペールが出演。会場に集まった観客は唯一無二、珠玉の音楽やコラボステージを存分に堪能。貴重な一夜の模様をお伝えする。
ステージはまず、佐藤竹善と塩谷哲によるユニット・SALT & SUGARのステージから。SING LIKE TALKING初期の楽曲で、ファンからの人気も高い「心のEvergreen」を佐藤がピアノを、塩谷がピアニカを演奏するスタイルで披露。しなやかな佐藤の歌声は瞬時に観客の心を掴み、誰もがじっと前を見据え聴き入っている。次曲はジャズボーカリスト、アル・ジャロウの名曲「Boogie Down」を。ジャジーなピアノの旋律がステージの上で踊るようで、そこに佐藤のご機嫌な歌声が絡んでいく。性急に展開していくサウンド、弾むようなスキャットがリズムを生み出し、2人きりで大きなグルーヴを生み出していく。
佐藤は「いろんなタイプの音楽が、シンプルな楽器で展開されていく。こういう音楽もあるんだって楽しんでもらえたら」と、イベントの楽しみ方を伝授すると、イギリスのシンガーソングライター、クリス・イートンの代表曲「Wonderful World」をプレイ。佐藤の感情豊かな歌唱はとにかく滑らかで美しく、塩谷の流麗なメロディがその世界をさらに美しく磨いていく。
【Salt & Sugar】
■M1:心のEvergreen(SING LIKE TALKING)/SALT & SUGAR
■M2:Boogie Down(AL JARREAU)/SALT & SUGAR
■M3:Wonderful World(CHRIS EATON)/SALT & SUGAR
続いてはインストゥルメンタル・アコースティック・デュオ、ジュスカ・グランペールのステージ。まずは佐藤とともに「She’s Leaving Home(ザ・ビートルズ)」で、彼の歌声をより立体的に魅せながら、旋律を紡いでいく。続いて、オリジナル曲「Red Legend」では「情熱を込めて演奏したい」という言葉の通り、ギターの高井博章、バイオリンのひろせまことが歌うように弦を弾き、音の世界を築き上げていく。バイオリンの音色は迫力もあり、ジャジーなギターとともに、タイトルにある紅く燃えるような音を描く。
【ジュスカ・グランペール】
■M4:She’s Leaving Home(THE BEATLES)/ジュスカ・グランペール+佐藤竹善
■M5:Red Legend/ジュスカ・グランペール
同イベントでは毎回、佐藤イチオシの若手アーティストが出演しているが、今年は佐藤曰く「イベントスタート時(1997年)には生まれていなかったシリーズ」として、Muyk、鈴木瑛美子の2組の女性アーティストがゲストに登場。
まずはMyukのステージ。「ワン&オンリーの表現豊かな歌声」と佐藤が絶賛した、柔かく温かな歌声を響かせ、1曲目「魔法」から、“お墨付き”も納得のステージを披露していく。しかもこの日は大儀見、ジュスカ・グランペールとのコラボステージ。卓越した3人の音が彼女の歌声をより一層輝かせ、唯一無二の世界を作り上げていく。彼女自身も「素敵な機会、呼んでもらえて光栄」と、この日のステージがとにかく楽しみだったと嬉しそうに語る。「Arcana」ではさきほどとは一転、民族的な匂いが漂う楽曲のなか、丁寧に、そして情熱的に歌い上げ、多彩な歌声を響かせる。佐藤とのコラボでは、玉置浩二の名曲「メロディー」をジュスカ・グランペールとともに披露。深く胸に染みこむ歌詞、世代も性別も超えた2人の歌声は見事に絡み合い、観客は思わず感嘆の声をあげる。
【Myuk】
■M6:魔法/Myuk
■M7:Arcana/Myuk
■M8:メロディー(玉置浩二)/Myuk+佐藤竹善
「彼女の歌う姿にびっくりした!声の発声も大したものだ!」と佐藤が絶賛したのは鈴木瑛美子のステージ。物語を紡ぐような詞世界が印象的な「カナリアの歌」では深くしなやかな歌声と、ジュスカ・グランペールの情景を思い描く美しい旋律に心が震える。たった1曲なのにまるでひとつの映画を見たような、濃淡の濃い世界観に観客は心酔しきり。かと思えば、コラボ曲には佐藤、塩谷、大儀見とともにビヨンセの名曲「Love on Top(ビヨンセ)」をセレクト。佐藤も「これを僕に歌わせるのか!?」とはしゃぎながら、エネルギッシュに、踊るように、情熱的な歌声を響かせる。開放感たっぷりなサウンドに鈴木は気持ちよさそうな表情を見せ、ラストのロングブレスもとにかく圧巻! 佐藤もそれにつられてか、全身を震わせるように存在感ある歌唱、コーラスを響かせ、彼女の魅力を一層引き立てていく。
【鈴木瑛美子】
■M9:カナリアの歌/鈴木瑛美子
■M10:Love on Top(BEYONCÉ)/鈴木瑛美子+佐藤竹善
「中高年のみなさん、盛り上がっていきましょう♪」、大儀見のラテンなパーカッションに誘われ、ハイテンションに登場したのは大黒摩季だ。1曲目は塩谷、大儀見とともに「熱くなれ~チョット~夏が来る~あなただけ見つめてる」と、誰もが知るヒットチューンを贅沢にメドレーで展開。ハイトーンボイスが美しく伸び、パワフルなパフォーマンスに観客は総立ちになって大盛り上がり。佐藤とのコラボではフォークデュオ・紙ふうせんの「冬が来る前に」を歌唱。楽曲は「パンチのある、ワイルドなシンガーがあえて歌う感じにしたかった!」と、佐藤がセレクトしたというが大黒自身も「新境地!」と語るほど、ハイトーンボイスはより艶やかに、しっとりと湿度を持った歌声となり、ベテランシンガーの新たな一面を見せてくれた。最終曲は佐藤も「良い曲だね〜♪」と絶賛していた名曲「ら・ら・ら」。佐藤、ジュスカ・グランペール、そして観客の大合唱も加わり、今夜限りの贅沢な楽曲へと仕上げていく。大黒がコーラスをする姿も新鮮だし、まるでジャムセッションをするようなメンバーの遊び心満載の演奏も聴き応えたっぷり。
【大黒摩季】
■M11:熱くなれ〜チョット〜夏が来る〜あなただけ見つめてる/大黒摩季
■M12:冬が来る前に(紙ふうせん)/大黒摩季+佐藤竹善
■M13:ら・ら・ら/大黒摩季+佐藤竹善
ゲストアーティスト、最後のステージはASKA。佐藤は「僕にとって金字塔のような人。影響も受けたし、とにかく釘付けになった。そして今も大きな成熟、成長を遂げている人」と、ASKAに心底惚れていると語る。ASKAも「声は人を現す。竹善は優しい、“染める”声を持っている」と絶賛。2人は名曲の制作秘話や昔話にも華が咲き、まるでラジオ番組のようにここでしか聴けない貴重なトークもたっぷりと披露してくれた。
ライブではアコースティックギターで「帰宅」を、塩谷のピアノとともに。伸びやかな歌声は第一声で会場の空気を変え、唯一無二の歌声を響かせる。次曲は大儀見も加わり、名曲「SAY YES(CHAGE and ASKA)」を。塩谷のピアノの1フレーズだけで会場が沸き、サビの高揚感には思わず鳥肌が立つほどのヒット曲。観客はじっと前を見据え、力強い声を、琴線を震わすメロディを聴き漏らすまいと夢中でステージに見入っている。ASKAの歌声を際立たせる塩谷のピアノ、大儀見のパーカッションも素晴らしく、この日、この瞬間に立ち会えたことに誰もが心躍っただろう。
感動はそれだけで足りず、佐藤とのコラボでは「はじまりはいつも雨」を披露。稀代の名曲を2人の歌声で聴けるのは贅沢極まりなくて、囁くようにビブラートを効かせたASKA、高音のファルセットが心地よい佐藤の歌声。どちらも透明度が高く、でも優しくて力強くて。竹善は思わず「僕のためだけに2人でカラオケに行ったみたい…」と思わず唸るほどだ。
【ASKA】
■M14:帰宅/ASKA
■M15:SAY YES(CHAGE and ASKA)/ASKA
■M16:はじまりはいつも雨/ASKA+佐藤竹善
イベントの最後を締めくくるのはSALT & SUGARのライブ。「処女航海’99」では作曲を担当した服部克久、作詞のなかにし礼との思い出を語りつつ、パリジャンな雰囲気を漂わせたオシャレなサウンドでプレイ。言わずもがな、息ぴったりな佐藤と塩谷のステージはとにかく楽しくて、続く「Blackbird(ザ・ビートルズ)」ではそこに大儀見も加わり、大きなグルーヴを作り上げていく。
本編最後、佐藤は「いろんな音楽があって楽しい。ジャズもクラシックもポップもロックも、全部ただの“音楽”になっていくことに幸福感がある」と語り、今年ソロ活動30周年に向けて、より一層精力的に活動していきたいと意欲を語る。そして最後に語ったのは、昨年逝去したKANへの想い。同イベントはもちろん、共演も多かった佐藤。「このイベントらしく送りましょう」とKANの「よければ一緒に」、「カレーライス」をダイジェスト版で届ける。時折天を仰ぐように歌う佐藤の姿も印象的で、彼のリスペクトするアーティスト、そして音楽への愛をひしと感じることができた。
【SALT & SUGAR】
■M17:処女航海’99(服部克久)/SALT & SUGAR
■M18:Blackbird(THE BEATLES)/SALT & SUGAR
■M19:よければ一緒に〜カレーライス(KAN)/SALT & SUGAR
「今回も今までとは違う、ワン&オンリーな特別な一日になりました。個性のある色がキャンバスにのり、ひとつの絵になったよう」とイベントを振り返り、アンコールは出演者全員でイベント恒例のエンディング曲「星の夜(塩谷哲)」を。塩谷、大儀見、ジュスカ・グランペールの演奏は子守歌を歌うように優しくたゆたうように響き、名ボーカリストたちの歌声をより一層輝かせる。佐藤が信じ、選び抜いた本物の音楽に満ち溢れた一夜は、最後の一音まで多幸感に満ちていて、3時間にわたって繰り広げられた宴は大団円で幕を閉じた。
【ALL CAST SESSION】
■M20:星の夜/ALL CAST
なお、この日のライブの模様は6月15日(土)、FM COCOLOの番組「Whole Earth RADIO」(20:00~21:00/DJ野村雅夫)で特集番組として放送を予定。詳しくはFM COCOLOの番組、ホームページをチェックしよう。
【番組概要】
◆番組タイトル:Whole Earth RADIO「introducing Cross your fingers 24」
◆放送日時:2024年6月15日(土)20:00~21:00
◆DJ:野村雅夫
◆番組ページ:
https://cocolo.jp/wer/
Photo by 井上嘉和/翼、
Text by 黒田奈保子
★billboard JAPAN ライブレポートはこちら
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/138198
【佐藤竹善 情報】
佐藤竹善が、1994年から行ってきたソロ活動も2024年は30周年を迎え、多岐に渡り活動中!
ソロデビュー30周年を記念し、東名阪 Zeppにて「Solo The 30th ALIVE and KICKIN’2024」を開催!
このライブは豪華にも、ブラックミュージックをルーツに、グルーヴ感溢れる演奏で聴く者を魅了するR&BバンドNeighbors Complain(ネイバーズ・コンプレイン)をサポートに迎えスペシャルなライブとなる。
ライブタイトルは、24年前、初の全国ソロツアータイトルを復刻したもので、レコーディングも共にしたパーマネントなバンドでの公演を実施したことから、Neighbors Complainをサポートとする本公演は当時の気持ちを思い出しつつも、同時に新たなスタートの想いを込めて「ALIVE and KICKIN’ 2024」とした。
佐藤竹善 「Solo The 30th ALIVE and KICKIN'2024」
https://youtu.be/TkGUikqGmSM
◆2024年8月3日(土)
東京 Zepp Haneda
Open 17:15 / Start 18:00
お問い合わせ:SOGO TOKYO / 03-3405-9999
◆2024年8月9日(金)
愛知 Zepp Nagoya
Open 18:15 / Start 19:00
お問い合わせ:SUNDAY FOLK PROMOTION / 052-320-9100
◆2024年8月10日(土)
大阪 Zepp Namba
Open 17:15 / Start 18:00
お問い合わせ:SOGO OSAKA / 06-6344-3326
●チケット
S席:¥11,000(税込)/ドリンク代別、特典付き
※完売しました。
A席:¥9,900(税込)/ドリンク代別
下記プレイガイドにて発売中
◆U-CONNECT:
https://www.uconnect-ticket.jp/artist/sato-chikuzen
◆チケットぴあ:
https://w.pia.jp/t/chikuzen-tour24/
◆ローソンチケット:
https://l-tike.com/satochikuzen/
◆イープラス:
https://eplus.jp/sf/word/0000028224
●注意事項
小学生以上有料。
未就学児童は保護者の膝上観覧無料、お席が必要な場合は有料。
営利目的の転売禁止。
客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合があります。予めご了承ください。
●Sing Like Talking オフィシャルサイト
https://singliketalking.jp