一冊の古本から始まる話の旅。
話は転がって広がって。
本の内容は勿論、
時代背景なども垣間みることができる『三千円 一〝本〟勝負』。
来月の最終週の土曜日もお楽しみに。
※今回ご紹介した本は、
大阪・もりのみやキューズモールの「まちライブラリー」で
読んでいただくことができます。
<まちライブラリー ホームページ (もりのみやキューズモール)>
http://machi-library.org/where/detail/563/
●今夜のお届けした曲●
M① I Dance Like This / David Byrne ......... (門上選曲)
M② 朝日のあたる家 / 小林旭 ........ (西林選曲)
M③ Umbrellas / Weather Report
(エンディング・ソング) ....… (門上選曲)
※今夜のエンディング・ソング選曲テーマは『雨』
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は門上さんです。
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古本屋の魅力は、予想外の出会いが待ち受けていることです。
今回の放送では、加藤和彦さん、安井かずみさん、今野雄二さん、村上春樹さんというつながりを話しました。そこでおかけした曲は、「I Dance Like This」David Byrne でした。このDavid Byrneのことを僕に教えてくださったのは今野雄二さんです。じつは、今野さんのデビュー作「恋する男たち」も見つけてしまったのです。
帯には「スターとは、つまるところセックス・シンボルなのである」という惹句が記されています。発行は昭和50年。僕が初めて今野さんとお目にかかった年でもあります。ジャックに続くのは「映画界、ロック界に君臨する華麗な男たちの肖像を、鋭いペンで描き出す、セクシーなエッセイ集」と書かれているのです。ペンという言葉が出てくるなど40年も以上前の時代を感じさせる内容。なんといってもアラン・ドロンから始まり、ブライアン・フェリーは登場しますがデヴィッド・バーンはデビュー前の時代です。
そしてあとがきには「ほんとうに描きたかったジャック・プレルやダン・ヒックスらのミュージシャンたちが抜けているのは、これまで雑誌からの注文がなく、それはまた、ほんとうに描きたくなくてもある雑誌のシリーズのために書いたスターも何人かは、この本に入っている」と書かれています。いつの時代も筆者は闘っているのです。
<門上武司>