門上西林 物見遊山 【#163/2019.11.16】

「サリンジャー生誕100周年」
●今夜の選曲●
M① Slaughter On 10th Avenue / The Ventures
M② 夜明けのスキャット / 由紀さおり
M③ 退屈な夜はブギーを / 浜田マロン
(ラストソング) ....… (西林選曲)
※今夜のラストソング選曲テーマは『栗』
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は門上さんです。
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「配偶者を求めております。ごく贅沢に育てられ気品が匂うがごとくで、エロチックな肢体をもっていながら貧乏を恐れず、いつも愛らしい顔立ちが魅力的であること。(中略)サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』が一番好きな小説であるような、そんな女性(後略)」と「女たちよ!」という伊丹十三氏のエッセイの最後に書かれた文章で、僕はこの本のことを知り読んだのが高校生の頃であった。当時は、生き方、服装、音楽などの水先案内人が伊丹十三さんだ。「ヨーロッパ退屈日記」から始まる伊丹さんのエッセイにどれだけ影響を受けたことか。兄貴は中学時代に「ヨーロッパ退屈日記」を読もうとしていた僕に「まだ早すぎる。高校生になってから読みなさい」と諭してくれたのだ。おそらく中学時代にそれを読むと勉学が疎かになるのではないかと感じていたのであろう。
そういった意味でも「ライ麦畑でつかまえて」と「ヨーロッパ退屈日記」や「女たちよ!」は、どこかで同じ匂いがしていたのかもしれない。
<門上武司>



