一冊の古本から始まる話の旅。
話は転がって広がって。
本の内容は勿論、
時代背景なども垣間みることができる『三千円 一〝本〟勝負』。
来月もお楽しみに。
※今回ご紹介した本は、
大阪・もりのみやキューズモールの「まちライブラリー」で
読んでいただくことができます。
<まちライブラリー ホームページ (もりのみやキューズモール)>
http://machi-library.org/where/detail/563/
●今夜のお届けした曲●
M① Mr. Lee / The Bobbettes ... ......... (門上選曲)
M② Walk On The Wild Side / Lou Reed ......(西林選曲)
M③ チェリー / スピッツ
(ラスト・ソング) ....… (門上選曲)
※今夜のラスト・ソング選曲テーマは『サクラ』
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は門上さんです。
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番組で井上章一さんの「京都ぎらい」を取り上げた。
京都という街の特性を見事に描き切った一冊であった。
この本を読みながら次のような話を思い出していた。かつて東京の編集部が京都取材に訪れた際に、小さな宿に泊まった。朝ででかけるとき、宿の女将に「夜遅くなるのです、帰ってきて風呂の入らない場合は、。朝に入ってよろしいですか」と尋ねると女将は「ええかまいまへん。けどお湯は湧いていまへん」と言われ、一同シュンとしたという。さすが、京都の宿という印象をインプットされたのである。
小さな宿の事情を考えれば、朝に入るということはかなり宿側に負担をかけることになる。それを理解して欲しいということを女将は伝えたかったのである。それをストレートではなく、諧謔的に伝えたかったのであろう。それが京都的と言って良いのかはわからないが、考えさせられるエピソードではある。
<門上武司>