オトナのためのマンガ塾 Vol.4
2015-10-24

タケカワユキヒデが塾長となって、
FM COCOLOリスナーにもきっと楽しんでもらえる
おすすめのマンガを紹介するコーナー
「オトナのためのマンガ塾」
第4回のピックアップ作品は、「伊賀の影丸」。
横山光輝さんです!
みなさん、ご存知でしょうか?
少年サンデーが創刊されて間もなく連載された忍者漫画。
「影丸」って実に微妙で、
白土 三平さんの「忍者武芸帳 影丸伝」の主人公も影丸。
「影丸」という名前は忍者ではあるあるの名前なのかね?
僕らは、「影丸」といえば、「伊賀の影丸」の方ですねー。
これの前は、あの有名な「鉄人28号」を書いていらっしゃった。
「鉄人28号」を書き始めた時は、
ハタチちょっと過ぎぐらいだったというから驚きですよね。
手塚治虫さんをして「天才」といわしめた方。
手塚さんのところにもアシスタントとして
手伝いに行っていたこともあったそうですが、
その頃にはもうデビューしていて、
作品をみた手塚さんが「この子はすごい」と言ったとか。
ずーーーーっとヒット作を書き続けた方ですよ。
「魔法使いサリー」も横山さん。少女漫画も書いていた。
確かに、赤塚不二夫さんも「ひみつのアッコちゃん」を書いていましたし、
そういう意味では、当時の漫画家さんたちは、
みなさん少女漫画のヒット作を持っていますよね。
手塚治虫さんは「リボンの騎士」。
少年マガジンで「ちかいの魔球」に夢中になっていた時に、
少年サンデーで「伊賀の影丸」に夢中になっていたんです。
だから、遊びは野球か忍者ごっこか、って感じでした。
「伊賀の影丸」の必殺技「木の葉隠れ」、っていう、これが面白いんです。
たくさんの忍者がたくさんの忍者をやっつけるという中で、
「伊賀の影丸」は相手を眠らせて終わるんですよね。
自分が逃げるための「木の葉隠れ」なんです。
実に平和主義。
でも起きたら、また相手は襲ってくるので(笑)
いいのか、悪いのか!
あと変装も得意で、女性に変装することもあったんですよ。
これが、当時としてはゾクゾクきたですねー。
後になって、色々わかるんですけど、
古事記の時代に、ヤマトタケルが女性に化けて相手をやっつける
みたいなものあったんですよね。
このあたりにヒントを得てのストーリーだったんじゃないかなと思います。
あと、もうひとつ「伊賀の影丸」には、
「村雨五兄弟」っていう味方がいるんだけど、
この兄弟、みんな毒に強いんですよ。
当日の忍者モノだと半分は毒殺が主流の中、
毒殺されないんだよこの人たちは!
なんで、毒に強いかというと、
理由は小さい時から毒をちょっとずつ与えられていて
免疫ができたって話しなの(爆笑)
ダメダメダメーーー!!
それから、「阿魔乃邪鬼」っていう奴は死なないんですよ、
1番の敵役なんだけど!
これが、色んな巻に登場してくるんだけど、最後には、
「伊賀の影丸」をやっつけるためだけに登場してくるんだよな。
言ってみれば、ターミネーター笑
後に死なないキャラクターと言えば、
楳図かずおさんの「おろち」ってのがいたけど、
死なないキャラクターの中でとくにすごいのは、
この「阿魔乃邪鬼」かな。



