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MARK'E Rolling 70 ~RADIO DAYS~ ライブレポート
3月9日(木)・10日(金)に開催された、マーキー生誕70年とラジオ開局70年もお祝いするアニバーサリーイベント「MARK'E Rolling 70 ~RADIO DAYS~」の模様をステージ写真で振り返ります!
3月9、10日の2日間にわたって、大阪・大阪フェスティバルホールにて、FM COCOLOでDJを務めるマーキーの生誕70年と、ラジオ開局70年もお祝いするアニバーサリーイベント「MARK’E Rolling 70-RADIO DAYS-」が開催された。日本に初めて民放ラジオが誕生した翌年、1952年に生まれたマーキー。関西のラジオ局·FM802を開局間もない黎明期から牽引し、FM COCOLOに移籍後も“ラジオの申し子”として、音楽はもちろん、様々なエンタメシーンを盛り上げてきた彼。
関西を代表する“声”の持ち主・マーキーと、彼の主戦場であるラジオへのリスペクトと愛をたっぷりと込めた一大バースデーショーを盛り上げようと、9日には寺岡呼人、奥田民生、斉藤和義、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本によるロックユニット・カーリングシトーンズ、地球三兄弟、MANNISH BOYS、木村充揮とスリーシトーンズが出演。10日にはUA、宇崎竜童、Char、夏木マリ、BEGIN、山下久美子、横山剣(CRAZY KEN BAND)が。さらに、“MARK’E Rolling”バンドとして、奥野真哉(Key/SOUL FLOWER UNION)、斉藤ノヴ(Per)、斎藤誠(Gt)、佐藤タイジ(Gt/THEATER BROOK)、田中邦和(Sax/Sembello)、TOKIE(Ba)、吉田佳史(Dr/TRICERATOPS)が参加。
ライブだけでなく、スペシャルトークゲストとして上沼恵美子が登場するなど、2日間に渡って繰り広げられた祝宴には、マーキーと長年付き合いのあるミュージシャンらが出演。盛大なバースデーイベント、まずは初日の模様についてお伝えしたい。
【3月9日(木)】
開演前の会場ではブライアン・セッツァーやラモーンズ、ローリングストーンズから、シーナ&ザ・ロケッチなど洋邦の名曲がBGMで流れている。もちろん、その選曲もラジオへの愛がたっぷりと詰まったナンバーばかり。フロアでは「NO MARK’E,NO RADIO!」と、某レコードショップ風のポスターがずらりと並び、出演者たちからの愛あるメッセージが掲げられていた。ほかにも、桑田佳祐など大物アーティストからの祝いの花が数多く飾られるなど、彼がいかに多くのミュージシャンに愛されてきたかを窺い知ることができる。
イベント初日はマーキーが担当する番組「MARK’E MUSIC MODE」(月~木曜/17:00~20:00)が楽屋裏から生放送でオンエア。ライブ直前の出演者たちが次々に番組に生出演するなど、この日限りのスペシャルな番組を展開。番組は会場でも流され、ライブ直前の高まりを観客と一緒になって体感する、特別感を味わうことができた。
斉藤和義/中村達也
■M1:MANISH BOYSのテーマ
■M2:裸の逃亡者
■M3:天使とサボテン
■M4:LOVE&LOVE
■M5:GO!GO!Cherry Boy!
■M6:Mach Venus
開演直前、ラジオから流れたのはボブ・ディラン「Like a Rolling Stone」。“ここから何が起きるのか”、マーキーの言葉に導かれるように会場はゆっくりと暗転していく。トップバッターに登場したのはMANNISH BOYS、斉藤和義と中村達也によるロックユニットだ。この日はユニットの原点でもある、2人だけでのベーシックな編成でのプレイ。「マーキーさん、おめでとうございます!」、声高らかに祝いの言葉を掛けると、1曲目「MANNISH BOYSのテーマ」からギターとドラムの生音だけで、あっという間に観客を圧倒。
中村達也はシンプルなドラムセットから情緒豊かなビートを鳴らし、斉藤和義はそこに繊細で熱量高いギターを絡めていくと、「天使とサボテン」ではノスタルジーなギターをねっちょりと鳴らす。中村のシャウトは声だけで楽曲に迫を増し、斉藤の歌声を一層エネルギッシュに引き立てていく。“天井から音が降り注ぐ”といわれ、音楽の殿堂と称されるフェスティバルホールで2人の極上のグルーヴを体感できるのはとにかく贅沢! ラスト「Mach Venus」まで、その魅力をたっぷりと見せつけてくれた。
YO-KING/桜井秀俊/奥田民生
■M1:Three Brothers Blues
■M2:すっごい汗
■M3:渚のボーナス
■M4:アースより愛を込めて
■M5:呼びにきたよ
■M6:絵
続いては地球三兄弟。奥田民生、YO-KING、桜井秀俊によるロックバンドの登場だ(メンバー名はOしゃん、スパ de SKY、THE EARTHだが、ここでは本名で)。1曲目「Three Brothers Blues」から、ラップタッピングで不思議な音色を鳴らす桜井、ブルースハープで深みのある音色を鳴らすYO-KING、そして民生がブルージーなギターで楽曲の臨場感を増していく。3人の歌声はいつにも増して渋みがあり、観客はじっとステージを見入っている。続く「すっごい汗」では遊び心というか、抜け感たっぷりのリリックを昭和な雰囲気たっぷりの曲調で鳴らすと、そこから楽曲毎にベースやカホン、バイオリンと楽器編成を変え、多才さを存分に発揮していく3人。
「呼びにきたよ」では良質なメロに乗せ、3人の歌声がよりくっきりと抽出されていく。個性をぶつけ合うのではなく、融合していくような歌声に聴き惚れる観客たち。MCでは「古希ってあんなに元気なのかな? こっちが先にヤラれるかもしれない…」と、自分たちの年齢に置き換え、マーキーのパワフルっぷりを改めてリスペクト。最終曲「絵」まで、じっくりと声を、メロディを届け、上質な音楽で祝宴に華を添えた。
木村充揮/浜崎貴司/トータス松本/寺岡呼人
■M1:嫌んなった
■M2:おそうじオバチャン
■M3:わかってさえいれば
■M4:君といつまでも
■M5:上を向いて歩こう
木村充揮とスリーシトーンズのステージで、イベントは後半へ。1曲目「嫌んなった」から早々に、木村の“天使のダミ声”で会場の空気が一変!。後に続くスリーシトーンズも、木村に負けじと、渾身の歌声を響かせる。トータスシトーンが手掛けたカーリングシトーンズの楽曲「わかってさえいれば」では、トータスシトーンがギターを爪弾いた瞬間から、一気にブルージーなアレンジに早変わり。寺岡、浜崎、トータスのスリーシトーンズも、いつも以上に前のめりな歌声、ギターやベースプレイを堪能することができ、この日限りのステージを観客はもちろん、演者も一緒になって楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。
ステージでは「マーキー?何巻き?カッパ巻き?」、木村のボケまくりのトークにタジタジになる3人。浜崎がなんとか仕切り直そうとするも、「慌てない~慌てない」と、ステージドリンクのお酒をおかわりする余裕綽々の木村。そのやり取りがとにかく面白いんだけど、「君といつまでも」を歌い出した瞬間、生粋のブルースマンぶりを発揮し、場の空気が一転。スリーシトーンズの3人も途端に表情が変わり、その様子だけで心が震えて仕方がない。でもやっぱり、最後は木村らしさたっぷりに「変わらない~いつまみむめも~♪」で締めちゃうあたりはさすが! ラストは観客と「上を向いて歩こう」を歌い、愛嬌たっぷりのステージで会場を沸かしてくれた。
寺岡シトーン/奥田シトーン/斉藤シトーン/浜崎シトーン/キングシトーン/トータスシトーン
■M1:スベり知らずシラズ
■M2:何しとん?
■M3:それは愛なんだぜ!
■M4:反射
■M5:ドゥー・ザ・イエローモンキー
■M6:Oh!Shirry
■M7:ソラーレ
■EN1:ガッツだぜ!! w/MARK’E
■EN2:涙はふかない w/MARK’E
初日のトリの前には、生放送を終えたばかりのマーキーが登場。「夢のような時間を」と、カーリングシトーンズのメンバーを呼び込むと、カーリングブラシを手に、水兵ルックの6人が登場。まずは「スベり知らずシラズ」から“カーリン カーリン グッ”と、絶妙に耳に残るサビで会場をひとつにしていく。メンバー6人全員がフロントマンでボーカリスト。作詞作曲はもちろん、ギターやベース、ドラムも演奏できる多彩な面々が集まったこのロックユニット。作曲を担当した楽曲ごとに各々の個性を感じるけれど、歌声やギター、ドラムプレイでがらりと印象が変わるのがとにかく面白い。しかも、互いにぶつかり合うのではなく、”楽しんでなんぼ!”な精神でプレイするものだから、良い感じに肩の力が抜けたグルーヴを堪能できるのもいい。
ステージ中盤はおなじみ、即興で曲作りを行う
アンコールではまだまだ遊び…、いや、祝い足りなかったのか、「ガッツだぜ!!」でマーキーも巻き込んで盛大に会場を盛り立てる6人。ラスト「涙はふかない」まで、贅沢なエンタメステージを届け、初日のイベントはこれにて終幕。「ありがとうしかない!」と感極まったマーキーの言葉に、観客はみなお返しといわんばかりに盛大な拍手を届けていた。
浜崎貴司/トータス松本/寺岡呼人/YOKING/奥田民生/斉藤和義/
桜井秀俊/木村充揮/マーキー/中村達也
【3月10日(金)】
この日も前日に続き、たくさんのリスナーが会場に集結。マーキーのDJ活動歴はFM COCOLO以前も含め、45年以上のキャリアを誇る超ベテラン! もちろん、彼の番組を長年愛聴するリスナーも多く、会場ではリスナー同士で同窓会のように集まる人の姿も見られた。「底抜けに明るくってパワフル!」「いつ聴いても元気がもらえる」「声がいつまで経っても若い!」「FUNKYでROCKY、とにかく最高!」と、リスナーの誰もが満面の笑みで答えてくれた。ちなみに、今回のバースデーイベントは過去に50歳、60歳の節目にも開催されている。DJひとりのためのバースデーイベントとして異例のことで、いかに彼が多方面から愛されているかがよく分かる。
開演時刻ちょうどを過ぎると、会場にマーキーが担当する番組「MARK’E MUSIC MODE」のオープニングのジングルが流れる。そこへマーキーがステージに設置されたDJセットに登場し、ラジオの本番さながらの軽快なトークで会場を沸かしていく。曲紹介でローリングストーンズ「Don’t Stop」をかけたところで、MARK’E Rollingバンドのメンバーがステージに登場。そのまま楽曲を生演奏で引き継ぎ、ラジオからライブへとステージが変わっていく。
■M1:おそうじオバチャン
■M2:60blues
この日はバンドの演奏をバックに、ゲストシンガーが次々と登場するステージ。まずはマーキーと同じ年の夏木マリが「おそうじオバチャン」(憂歌団)をジャズアレンジでカバー。若い世代は俳優のイメージが強いかもしれないが、彼女のキャリアのスタートは実は歌手デビューから。「こういう雰囲気久しぶり! 私は今年、歌うわよ!」と、久しぶりのライブパフォーマンスに気合い十分、自身のキャリアを謳った「60blues」で頭を振り乱しながら熱唱する。
■M1:私を生きて
夏木マリは次に登場したUAとともに、「私を生きて」を2人でデュエット。実はこの曲はUAが夏木をイメージして作詞を担当したものの、ライブで披露されたことがなかったというレア曲。この日だからこそ実現したパフォーマンスに、観客は大きな拍手で応えていく。
■M1:プライベート サーファー
■M2:微熱
UAとマーキーの出会いは1995年、メジャーデビュー直後のFM802主催のライブイベントだったとか。大勢の前での初ライブで緊張する彼女に「大丈夫や! やったれ!」と元気づけてくれたと、当時のエピソードも披露。UAのソロステージでは、マーキーに感謝の気持ちを伝えつつ、「マーキーのマインドとともに歌います!」と、「プライベート サーファー」「微熱」と、穏やかなリズムのなか、強くしなやかな歌声を響かせていく。
■M1:Purple Rain
【斎藤誠】
■M1:今 僕を泣かせて
ゲストシンガーの歌声に聴き惚れるシーンが多いなか、随所々々に抜群のバンドサウンドを鳴らし、観客を気持ちよく揺さぶるMARK’E Rollingバンドのメンバーたち。ソロステージでは佐藤タイジが「Purple Rain」(PRINCE)を美しいメロと渾身の叫びでカバー。
斉藤誠はオリジナル曲「今 僕を泣かせて」で優しくも粘りのある歌声で観客を心酔させていく。バンマスの奥野真哉が紡ぐ旋律も印象的で、これだけ豪華なプレイヤーが集まったことに、マーキーが繋げてきたキャリアの長さを改めて実感する。
■M1:港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
■M2:生きてるうちが花なんだぜ
「Congratulation!」、流暢な英語でメッセ―ジを届けたのは宇崎竜童。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコハマ」のお馴染みのギターリフが流れ、セクシーな低音ボイスで「あんたら、マーキーのなんなのさ!」とセリフを投げるだけで、観客は拍手喝采が沸き起こる。
■M1:時代遅れのバースディプレゼント
■M2:恋しくて
■M3:島人ぬ宝
イベント後半、BEGINは「石垣島にはラジオがなかった。あの頃、マーキーさんがいてくれたら…」と、もっと早くにラジオカルチャーに、そしてマーキーに出会いたかったと想いを吐露。「時代遅れのバースディプレゼント」からラジオへ、そして音楽への想いを音に込め、丁寧に届けていく。FM802やFM COCOLO主催のイベントではいつも賑やかなステージで沸かしてくれる彼らだが、この日は「恋しくて」「島人ぬ宝」と、じっくりと歌を聴かせる選曲で盛宴に想いを添える。
■スペシャル対談
生のライブも良いけれど、ラジオといったらやっぱりDJとゲストとのトークも聴きたいところ。それでも、関西を代表する名司会者であり、歌手の上沼恵美子が登場することに驚いた人は多いはず。実は彼女、運転中や自宅でも一日中FM COCOLOを聴いているというヘビ―リスナー。しかも「一番ラジオがうまい! 安心感も安定感もあるし、包容力もある。声だけで好きになったのは初めて!」とマーキーを絶賛。縁あってこの日のゲスト出演が叶ったわけだが、芸能生活50年以上の大ベテランだけあって、彼女もフリートークの達人! 次から次に質問をぶつけ、マーキーもタジタジに…。「隙間がなかった」と言わしめるほど、彼の珍しい一面が見られたと観客は大盛り上がり。
■M1:タイガー&ドラゴン
■M2:昼顔
賑々しいトークセッションから再びライブステージへ。横山剣は「タイガー&ドラゴン」「昼顔」で、漢らしくも包容力たっぷり、ソウルフルな歌声を響かせ、お馴染みの「イイネ!」ポーズでキメる!
■M1:いつでも夢を
■M1:シャンプー
■M2:バスルームから愛を込めて
さらに、「こんな夢のようなことが実現するなんて」と、山下久美子と「いつでも夢を」をデュエット。昭和の名曲をしっとりと聴かせ、山下久美子とマイクをバトンタッチ。山下は「マーキーは今が一番輝いてる! 見習いたい!」とエールを送り、「シャンプー」「バスルームから愛をこめて」を変わらぬキュートな歌声で披露。
■M1:Hold On I'm Coming
■M2:Hey Jude
ゲストアーティストによるステージもいよいよ最後。Charは「Hold On I’m Coming」(Sam&Dave)で抜群のギタープレイを披露! ラストスパートに向け、バンドのグルーヴがぐぐっと高まっていく。ラスト「Hey Jude」、リリックもマーキー版にアレンジするなど、随所に愛がたっぷり詰まったパフォーマンスで魅せてくれた。
■EN1:人生を語らず
アンコールではFM802、FM COCOLOの後輩DJたちもお祝いに駆け付け、「マーキースピリッツを引き継いでいきたい!」と、集まった観客の前で先輩に負けじと邁進したいとアピール。マーキーは改めて感謝の気持ちを伝えつつ、「ラジオ最高! 愛ラブラジオ!」と声を大にして叫び、出演者たちに囲まれながら「人生を語らず」(吉田拓郎)を歌い上げ、2日間にわたって繰り広げられた饗宴の幕が閉じた。
■3月10日(金)
<前列>
横山剣/山下久美子/斉藤ノヴ/夏木マリ/マーキー/上沼恵美子/宇崎竜童/Char/UA
<後列>
吉田佳史/斎藤誠/奥野真哉/BEGIN/TOKIE/田中邦和/佐藤タイジ
Photo by 井上嘉和
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【2023年3月9日(木)】
【2023年3月10日(金)】
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