門上西林 物見遊山 【#112/ 2018.11.24】
2018-11-24

話は転がって広がって。
本の内容は勿論、
時代背景なども垣間みることができる『三千円 一〝本〟勝負』。
来月の最終週の土曜日もお楽しみに。
※今回ご紹介した本は、
大阪・もりのみやキューズモールの「まちライブラリー」で
読んでいただくことができます。
<まちライブラリー ホームページ (もりのみやキューズモール)>
http://machi-library.org/where/detail/563/
●今夜のお届けした曲●
M① La Migliore Offerta / Ennio Morricone......... (門上選曲)
M② パパの歌 / 忌野清志郎 ......... (西林選曲)
M③ Autumn Leaves / Halie Loren
(エンディング・ソング) .........…(西林選曲)
※今月のエンディング・ソングの選曲テーマは『落ち葉』
今回の『放送後記』の担当は西林さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
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毎年1月15日には「成人になった諸君」、4月1日には「新入社員の諸君」という全5段(初期は全7段)の新聞広告が掲載されていました(1度だけ9月14日に掲載)。スポンサーはサントリー。コピーは山口瞳。その後、伊集院静にバトンタッチされるのですが、時代の変遷でしょうか、若者の新聞離れの影響でしょうか、全国4紙の掲載が数紙になり、昨今はある新聞の東京版だけの掲載になってしまいました。その日を愉しみにしていた者としては残念でなりません。
山口瞳のコピーは『君等の人生に乾杯だ!』という1冊にまとまっています。手にしてからというもの、その本は、わたしの酒への指南書となり、バイブルになりました。曰く、カウンターのある酒場へ行け。5時に開店、11時に閉店の店へ行け。終電までに帰れ。酒場へはひとりで行け。常連ぶらず、隣の人にむやみに話しかけるな。3杯できりあげろ。金を払っているからといってなにをしてもいいと思うな。品行は悪くても、品性は良くなければならない。卑しい酒を飲むな。酒を飲むことは分を知ることだと思え。酒もなにごとも気合いをいれてやれ。
守れていることもあれば、守れていないこともありますが、実践につとめる日々をふりかえると、山口瞳の酒場への教えは、社会や人生への教えでもあり、まっとうに生きる術の伝承なのだと気づくのでした。だからわたしの場合、まだまだ人生仮免許がとれないのです。
<西林初秋>



