門上西林 物見遊山 【#148/2019.8.3】
2019-08-03

今回は〝白黒・モノクロ映画〟
●今夜の会話の中に出てきた作品
▽作品名「裸の島』
▽作品名「夢みるように眠りたい」
▽作品名「アーティスト」
▽作品名「イレイザーヘッド」
▽作品名「シンドラーのリスト」
▽作品名「COLD WAR あの歌、2つの心」
https://coldwar-movie.jp
●今夜の選曲●
M①赤色エレジー/あがた森魚 ....... (西林選曲)
M②Dwa Serduszka/Joanna Kulig, Marcin Masecki
....… (門上選曲)
M③La Mer/Patricia Kaas
(エンディング・ソング) ...… (西林選曲)
※今月のエンディング・ソングの選曲テーマは『海』
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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色つきの夢をみる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。記憶も色つきという方は少ないのではないでしょうか。記憶は美化されるといいますが、映像的には、特に印象的な出来事以外、モノクロになっていきます。
今回のテーマは「白黒の映画」でした。手段として白黒フィルムしかなかった時代もありましたが、カラーフィルムがあるのにあえてモノクロの画面を選択するには、監督の明確な意図があるはずです。そのひとつがトーンだと思います。コントラストの強弱で、カラーよりも遠近感をだすことができるのですね。だからモノクロには抽象性とか深みとか、内面を描く効果があるようです。そして色がない分だけ、かえって匂いが強く立ち上がる。今回ご紹介した「夢みるように眠りたい」では舞い散る桜の匂い、「裸の島」では潮の匂い、そして「コールド・ウォー」では男と女の息の匂い。色をはぎ取ると、他の五感を刺激するのですね。映画にしろ、写真にしろ、モノクロの魅力はそんなところにあるのかもしれないと再確認したおしゃべりでした。
<西林初秋>


