門上西林 物見遊山 【#225/2021.1.23】
2021-01-23

<西林選曲>
幸福を売る男/ 越路吹雪
<門上選曲>
イエローサブマリン音頭/金沢明子
<ラストソング/テーマ「朝日」>
セレクター:門上武司
社長さんはいい気持 / 鈴木やすし
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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外国語ができなければ訳すことはできない。外国語ができても翻訳できるとは限らない。そんなことを再確認した今回の放送でした。
J・D・サリンジャーといえば野崎孝さんで、トーマス・マンといえば高橋義孝さん。フョードル・ドストエフスキーなら江川卓さん、マルセル・プルーストなら井上究一郎さん。トルーマン・カポ−ティーは川本三郎さんか瀧口直太郎さんで、レイモンド・チャンドラーは清水俊二さん。学生の頃は、映画の吹き替えのように作家の訳者はほぼ決まっていました。しかし現在は違います。いろいろな出版社が海外の小説を出版するにつれて、サリンジャーにしろ、ドストエフスキーにしろ、プルーストにせよ、新しい訳者の本が出版されています。
訳者が変われば作品の世界も変わってくる。それは当然のこと。定説のように信じていたイメージが揺れるところに、好きな人の知らない一面に触れたときのような新鮮な風を感じます。そこに翻訳の妙や深淵が立ち上がるとしたら、翻訳の面白さというものは最近の愉しみなのかもしれません。
<西林初秋>



