門上西林 物見遊山 【#309/2022.9.3】
2022-09-03

テーマは「私たちが愛した80年代音楽」
<西林選曲>
Call Me / Blondie
Sentimental Road / J-WALK
Ellie My Love / Ray Charles
<門上選曲>
Losing My Mind / Liza Minnell
Don't Take My Coconuts / Kid Creole & The Coconuts
Walk The Dinosaur / Was (Not Was)
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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1980年代の大きな出来事にバブル景気があります。1986年からはじまり、1991年に弾けるとされています。音楽は時代を纏うもの。金が金を生み、狂騒と狂乱に踊った時代の影は音楽にも反映されえていると思うのです。
その一例が今回ご紹介したレイ・チャールズの「Elly My Love」。元々はサントリーホワイトのCFのために作られました。キャッチコピーはたしか「いとしのホワイトください」。
海外の大物タレントを起用することは70年代からありましたが、大物中の大物ミュージシャンに出演や歌だけでなく、日本のバラードをカバーさせる発想自体がゴージャス。しかもプロデューサーはクインシー・ジョーンズの片腕で、マイケル・ジャクソンの「Thriller」のホーンアレンジを務めたジェリー・ヘイ。録音は彼の指揮でL.A.で音を取り、レイのヴォーカルはニューヨークのスタジオで行ったといいます。その制作費はいかほどか?グラフィック畑のコピーライターにはそろばんを弾く前に、想像しただけで手がしびれて目がくらむほどの金額だったはず。ある意味、日本企業が金の力で生み出した、バブル経済時代の名曲という遺産。それが「Elly My Love」といえないでしょうか。
<西林初秋>


