オリジナリティたっぷりの文学漫画 #まちゃお765
2020-03-12

おはようございます。
どうも、僕です。野村雅夫です。
ジュンク堂書店姫路店、角石さんの本紹介がある木曜日。僕もまた便乗して、ひとつレコメンドします。珍しく、漫画ですよ。それも、文学作品のコミカライズなんです。
森泉岳土(もりいずみたけひと)の『蛍』『1984年』がセットで読める一冊です。
名作小説の漫画化って、昔からありますが、やっぱりどうもザックリした印象になるというか、ただただライトにしたって感じになるものが多いように思うんです。もちろん、僕の手にした範囲での話ですけど。
ところが、森泉さんのこの漫画は、そうではないんです。あの『ノルウェイの森』の基になった村上春樹の短編『蛍』も、今もって強烈な社会批評を備えたジョージ・オーウェル『1984年』も、彼の筆にかかると、小説とは違ったオリジナリティを獲得しちゃうんです。
もちろん、話は端折ってありますよ。それも、大幅に。潔(いさぎよ)いレベルで。これはとてもセンスの要ることですし、それが成功しているからこそ、お話のエッセンスが際立ちます。細い線で描かれた、淡い印象の絵面もお気に入り。
いずれも小説がまず傑作ですから、この漫画を入口にするも良し、僕のように、再読する代わりに手に取るも良し。
河出書房新社から、本体価格1100円で販売中ですよ。
今朝も11時まで、聴ける範囲でのおつきあい、よろしくです。




