門上西林 物見遊山 【#24 / 2017.03.18】
2017-03-18

今夜のトークのテーマは『日記』。
お二人の『日記』に対する考え方・使い方・知識には驚くばかり。
放送終了後、まだまだ『日記』について語りたいというお二人。
近々《 日記ばなしパート Ⅱ 》をおおくりします。
●今夜おかけした曲●
M① 小さな日記 / フォー・セインツ…. (西林選曲)
M② 熱き心に / 小林旭………………..(門上選曲)
M③ はやくいそいで
/ 古内東子(エンディング・ソング)...(門上選曲)
※今月のエンディングソングのテーマは『旅立ち』
※番組では、番組で取り上げてほしいテーマ、
メッセージ&リクエストをお待ちしています。
みなさん、是非ご参加ください。
※今回の『放送後記』の担当は西林初秋さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
…...【放送後記】…………………
書くという仕事は、ある意味、身を削る行いだと思っています。それは何も執筆だけに限らず、あらゆる芸術やパフォーマンス、さらにビジネスでも、人を感動させる作品や提案は、身を削るほどの集中と熱中を必要とする、過酷で過剰な行いの果てに生まれるものです。
今回のテーマは「日記」です。文学の世界には、日記の形態を借りた物語がたくさんあります。そんな1冊で、わたしが学生のころから繰り返し読んでいる本に、リルケの「マルテの手記」があります。パリへやってきた青年詩人マルテが、孤独のなかで街や人や物、そして人生や芸術について、随想のように記述する物語(筋らしい筋はありません)ですが、綴られているのは、無名だった若きリルケの心の叫びです。発狂する一歩手前の、書かなければ存在すらなくなるという恐怖と不安との戦い、そして救済の記録といってもいいでしょう。リルケはこの作品を書き上げるのに6年の歳月を費やしたといいます。
ジャン・コクトーが毎夜のパーティーの乱痴気騒ぎを終え、夜明け前に自宅へ戻る途中、ふと見上げると、ちいさな下宿のリルケの部屋にだけ灯りがついていることに気づいて、ああと思うのです。
「ああ、また、リルケが痛がっている」
いつの世も、詩人はたった一言で事の本質をいいあてる。
<西林初秋>



