門上西林 物見遊山 【#55 / 2017.10.21】
2017-10-21

今夜のテーマは『仕事場からのおもたせ』
お二人の仕事場には、いろんなモノがあります。
そこには、
楽しく心地よく仕事をするためのヒントがあります。
そんな気がします。僕は。
●今夜おかけした曲●
M① あまく危険な香り/ ORIGINAL LOVE.. (西林選曲)
M② 昼下がりのテーブル/ 南佳孝……..(門上選曲)
M③ 'S Wonderful /Brian Wilson
M④ おもしろ倶楽部のテーマ 〜恋する男たち/葡萄畑
…… (ラストソング_門上選曲)
※今月のラスト・ソングの選曲テーマは『葡萄』
※今回の『放送後記』の担当は西林さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
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それは魯山人を追って山中温泉で取材をしているときでした。山中漆器職人の店にその筒はあったのです。どこか北陸の女性の肌を思わせる、無垢の、塗りをしていない木地だけの筒。何に使うのかもわからなかったのですが、お香を入れるのには最高だと思った時点で、購入をあきらめることはできない相談になりました。たしかにお香を入れてみるとおさまりがよく、自分の見立てにうれしくなると、それ以後は旅へでるときに鞄の底へしのばせるようになり、それにつれて筒の色も肌色から飴色へと深まっていきました。
登場するのは、旅先のホテルで喫煙の部屋しか取れなかったときと、海外へでかけたとき。海外のホテルにチェックインして、荷物をほどいて、お香を焚くと、それだけでひと仕事を終えたような安堵感に包まれるのは不思議です。ここではないどこかへという心に誘われるまま海の外まででかけてきたのに、あまりにも日本的な、あまりにも日常的な香りに安堵を覚えるのですから、人間はどこまで身勝手なのかと思ったりもします。しかし旅とは日常から非日常へ移動することではなく、たちのぼる煙のように日常と非日常の間をたゆたうことなのかもしれません。そう思うと身勝手な心の動きにも合点がいったりするのです。
<西林初秋>



