門上西林 物見遊山 【#82/ 2018.4.28】
2018-04-28

一冊の古本から始まる話の旅。
話は転がって広がって。
本の内容や著者の思いは勿論、
時代背景なども垣間みることができる『三千円 一〝本〟勝負』。
来月の最終週の土曜日もお楽しみに。
●今夜おかけした曲●
M① Whiskey River/ Willie Nelson...(西林選曲)
M② Havana/ Camila Cabello…… (門上選曲)
M③ A Flower is not a Flower / 坂本龍一
(エンディング・ソング).…(西林選曲)
※今月のエンディング・ソングの選曲テーマは『花』
今回の『放送後記』の担当は西林さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
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古本屋さんをはじめて意識したのは、五木寛之の名エッセー『風に吹かれて』の「古本名勝負物語」を読んだときだったと思います。暗く古い本の森のなかへ入り込むには、まだためらいを覚える高校生の頃でした。その後、開高健が「明けても暮れても本を読み、うとうとしては人から金をとる。こんなに美しいイメージはない」という、少年時代の古本屋さんのおやじになる夢について書かれた一節に出会い、ぐっと身近になりました。
かつては苦学生のより所だった古本屋さん。時代が流れ、若者の本離れに拍車がかかり、アマゾンなど店舗を持たない競合も現れて、古本屋さんはいつになく試練にさらされていると思うですが、悲壮感がないのはもともとそういう商売だったからでしょうか?店舗を広げたり、大きく売り上げをあげることよりも、店主の思考と志向と嗜好を主とした本(商品)を揃える経営手法は、時代の浮き沈みにはあまり影響されないのかもしれません。ファッションや雑貨の世界ではセレクトショップ花盛りですが、古本屋さんはそのはしりといえるかもしれません。だからこそ、自分の行動範囲内に好みの本を揃う古本屋さんがあるのは、好みの酒場や珈琲店を持つのと同じくらいしあわせなことなのかもしれません。
<西林初秋>



