門上西林 物見遊山 【#136/2019.5.11】
2019-05-11

●今夜の選曲●
M① Fun Time / Joe Cocker
M② Sous Le Ciel De Paris / Zaz ........ (西林選曲)
M③ 買物ブギー / 笠置シヅ子 ..............(門上選曲)
M④ The Sky Is Crying /
Stevie Ray Vaughan & Double Trouble
(エンディング・ソング) ...... (西林選曲)
※今月のエンディング・ソングの選曲テーマは『空』
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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もしパリにいるとして、その日が土曜日なら、蚤の市へ行かないなんてできない相談です。カフェが開店する前にもそもそとホテルを抜け出すと、午前中はサン・ジェルマン・デ・プレから95番のバスに乗って終点のヴァンブーへ。昼に一度ホテルへ戻ると勝利品を置き、次の現金をポケットにねじ込んで、午後はサン・ジェルマン・デ・プレから4番のメトロに乗って終点のクリニヤンクールへ。体力と財力を使いはたす1日になります。
骨董市には実用の美がある物が並んでいますが、蚤の市は誰が欲しがるのというガラクタにあふれています。目利きでないわたしが惹かれるのは、そんなガラクタばかり。鍵、キーホルダー、パイプ、缶、マッチ、ガラス瓶、紙、袋、吸い取り紙、置物、コースター、リネンのハンカチ、フェーブなど。どれもが古いか、汚れているか、時代遅れか、そのすべてかで、他の人からみれば「?」がともる品ばかり。小さな男の子が広場の石や虫の抜け殻を持ち帰るような感じでしょうか。そう思うと、わたしにとって蚤の市は、その入り口に立つだけで子どもに戻れる空間なのかもしれません。
<西林初秋>



