HISTORY
2021
2021.4.29 [Holi]@靱公園センターコート特設会場
- 【出演アーティスト】
- スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 【シークレットゲスト】
- 堀内孝雄
4月29日、大阪·靭公園センターコート特設会場にて「靭公園 MUSIC FESTA FM COCOLO 風のハミング」が開催された。本公演は「都会の真ん中で、大人のための音楽祭」をコンセプトに2011年秋にスタートし、今年で9回目の開催に。出演は同局でレギュラーを持つ根本要(スターダスト☆レビュー)、KAN、馬場俊英を中心に、毎年豪華なゲストが登場。今年もスターダスト☆レビュー、KAN、馬場俊英のほか、杉山清貴、シークレットゲストに堀内孝雄が登場。当初は有観客と配信形式での開催を予定していたが、緊急事態宣言の発令と政府からの要請により無観客·生配信で行われることに。例年ならチケット即完売の人気公演。しかも、昨年も同様に緊急事態宣言により開催中止となっていたことから、リベンジ開催を心待ちにしたファンも多かったはず。そして幸か不幸か、この日の天気は土砂降りの大雨…。SNSでは観客不在の会場を少しでも盛り立てようと、たくさんのコメントが浮上。北は北海道~南は沖縄まで、全国各地から多くのファンが自宅のテレビやパソコンなどから生配信ライブを思い思いのスタイルで楽しんでいた。
開演時間ちょうどを迎え、スタッフ以外誰もいない会場にスターダスト☆レビュー、KAN、馬場俊英、そしてゲストの杉山清貴が傘を差してステージに登場。いつもならステージをぐるりと囲む6000人もの観客から温かい拍手で迎えられるところだが、この日は冷たい雨が降るばかり。やっぱり寂しいな…と思っていたが、出演者全員がアカペラで歌い上げた「愛は勝つ」でぐっと心が温かくなる。誰もいない空間に響く歌声はただただ美しくって、神秘的な空間にさえ思えてくる。続いての「さよならのオーシャン」では杉山が穏やかで透き通った歌声でメインボーカルを取り、根本や馬場がギター、KANがグロッケンとコーラスを担当するという、なんとも贅沢なステージに。
馬場俊英はソロステージで「ブルーバード〜僕は夢の影のように」を弾き語りで披露。力強くも柔らかな歌声、心を鼓舞する歌詞が心に染み入る。さらに、“風ハミ”メンバーとセッションがしたかったと、KAN、スタ☆レビ リズムメンバーとともに「ケムシのうた」へ。ぐんぐんと力強さを増していく楽曲、ロックテイストの男臭さあふれるギターをかき鳴らしながら歌う彼の姿からは少年性を感じてしまう。
ライブはもちろん、同イベントの楽しみといえばステージトーク。イベントを主催するFM COCOLOでレギュラー番組を持つ根本、KAN、馬場がメインということもあり、ライブの合間もラジオ番組さながらの盛り上がりを見せていく。馬場は最年少ということもあってか、根本やKANから大いにイジられてしまうが、そんなシーンもこのイベントならでは。
それぞれのソロステージのほか、例年には洋楽ロックのカバーメドレーが定番だったが、今年は大人の事情で邦楽カバーのみに。「冬の稲妻」(アリス)でオリジナル曲とは違った表情を感じさせて観客を驚かせると思いきや、さらにサプライズが続いていく。なんとその場で選んだ楽曲にコーラスやハーモニーをつけて遊ぼうという、リハーサルなしの無茶ぶりも! 「DOWN TOWN」(SUGAR BABE)をステージ上で主線やリズムなどを振り分けして歌い上げる、ベテランの彼らだからこそできるパフォーマンスも飛び出した。
続いてはKANのソロステージ。彼のステージ衣装といえばアメフトユニフォームが定番だが、この日の衣装には“YOSUKE@HOME”の文字が。自身も参加していたアコースティックユニット・Cabrellsのメンバーで、2019年に急逝したヨースケ@HOMEの名を背負い、本当は昨年のイベントで歌いたかったことやメンバー同士で作り上げた歌詞について語り、「Chu Chu Chu」(Cabrells)をボーカリスト3人でカバー。さらに最新アルバム『23歳』に収録されているピアノバラード「エキストラ」では“大好きです 好きです”と、繰り返される言葉に胸が締め付けられる。配信ライブ映像ではキーボードを弾く運指や感情豊かに歌う表情まで、ぐっと間近で観ることができるのがいいところ。切ない楽曲の世界観がさらに臨場感たっぷりに染みわたっていく。
イベント中盤ではさらなる特別企画が。“風ハミ”はハーモニーをテーマにしていることから、生配信でライブを楽しんでいる人も一緒に歌おうと、再び「愛は勝つ」を、今度はカラオケアカペラで披露することに。主旋律を観客に、しかもテレビやモニターで観ている観客に歌わせるという前代未聞のステージ。しかも間奏はドイツ語Version,だし、KANが歌詞をカンペで見せていくし(歌詞のアレンジやおふざけもあり!)、大ネタ小ネタ満載でサービス精神が旺盛すぎる!
さらに根本、KAN、馬場、そして杉山の4人が企画した配信ライブから生まれた楽曲「4人はアイテル」も披露と、今だからこそのラインアップで魅せていく。
杉山清貴のソロステージでは、アコースティックの弾き語りで「あの夏の君と」「月に口付け」と感情豊かに歌い上げていく。と、すんなり終わるわけもなく、ミニコントで馬場がカルロス・トシキならぬ、カルロス・“トシヒデ”になりきって登場。そして「君は1000%」(1986オメガトライブ)を杉山が初歌唱するという、なんとも特別すぎるシーンも‼ まさかのシーンにSNSが大いにザワつき、“満足度1000%”なんて思っていたが、ステージはここでもすんなり終わらない。
「ちょっと待った―――!1000%で満足か?」と、ここでシークレットゲストの堀内孝雄が登場!披露したのは「君のひとみは10000ボルト」!もちろんここでも“風ハミ”メンバーのコーラスが入った豪華なコラボだ。実は堀内孝雄と根本はデビュー当時は同じ事務所に所属する、先輩後輩の仲。大ベテランの堀内からすれば、馬場はもちろん、KANも杉山もまだ若手か。大先輩は「手抜くんじゃないよ?」とピシっと気合を入れつつ、「遠くで汽笛を聞きながら」を歌いあげる。4人の重厚なコーラスもばっちりで、美しいメロディがより際立つ。
イベント後半はスターダスト☆レビューのソロステージ。名曲「トワイライト・アヴェニュー」から、昨年リリースしたファンクなナンバー「はっきりしようぜ」と新旧のナンバーをアコースティック編成で響かせる。今年でデビュー40周年を迎える彼らが打ち出す、今だからこそ鳴らせるサウンド、歌詞がぐっと心に刺さって離れない。
ステージはその後「すべての悲しみにさよならするために」(KAN)、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(馬場俊英)、「ふたりの夏物語」(杉山清貴&オメガトライブ)、「愛の歌」(スターダスト☆レビュー)と、各々の名曲陣を全員でセッションしていく。会場には観客の姿はないけれど、画面の向こうで共に口ずさんでくれているだろう観客を想い、全力でプレイする姿に嘘は一切ない。実は配信ライブとなると、現場で鳴らされる楽器の音量はさほど大きくはない。それでも4人の歌い手たちの声は会場にしっかりと響き、美しいハーモニーを描き出している。
そして最後は「風のハミング」のために制作された「靭のハミング」へ。本来なら観客のハミングがあってこそ完成する楽曲だが、配信ライブでもそれは変わらない。メンバーはいつものライブのようにステージの周りを歩きながら歌う。観客のいないテニスコートの真ん中で響かせる歌やハミング、歌詞にある情景をよりリアルに感じさせ、思わず目頭が熱くなる。ラスト、テニスボールが跳ねるように、爪弾くギターの音色が大雨の会場に響き、ステージは終幕へ。
昨年のイベント中止から100%のリベンジとはいかないまでも、ようやく実現した今回のイベント。来年こそは都会の真ん中、広い空の下、開放感たっぷりの「靭公園 MUSIC FESTA FM COCOLO 風のハミング」で大勢の観客とハミングしたい。
開演時間ちょうどを迎え、スタッフ以外誰もいない会場にスターダスト☆レビュー、KAN、馬場俊英、そしてゲストの杉山清貴が傘を差してステージに登場。いつもならステージをぐるりと囲む6000人もの観客から温かい拍手で迎えられるところだが、この日は冷たい雨が降るばかり。やっぱり寂しいな…と思っていたが、出演者全員がアカペラで歌い上げた「愛は勝つ」でぐっと心が温かくなる。誰もいない空間に響く歌声はただただ美しくって、神秘的な空間にさえ思えてくる。続いての「さよならのオーシャン」では杉山が穏やかで透き通った歌声でメインボーカルを取り、根本や馬場がギター、KANがグロッケンとコーラスを担当するという、なんとも贅沢なステージに。
馬場俊英はソロステージで「ブルーバード〜僕は夢の影のように」を弾き語りで披露。力強くも柔らかな歌声、心を鼓舞する歌詞が心に染み入る。さらに、“風ハミ”メンバーとセッションがしたかったと、KAN、スタ☆レビ リズムメンバーとともに「ケムシのうた」へ。ぐんぐんと力強さを増していく楽曲、ロックテイストの男臭さあふれるギターをかき鳴らしながら歌う彼の姿からは少年性を感じてしまう。
ライブはもちろん、同イベントの楽しみといえばステージトーク。イベントを主催するFM COCOLOでレギュラー番組を持つ根本、KAN、馬場がメインということもあり、ライブの合間もラジオ番組さながらの盛り上がりを見せていく。馬場は最年少ということもあってか、根本やKANから大いにイジられてしまうが、そんなシーンもこのイベントならでは。
それぞれのソロステージのほか、例年には洋楽ロックのカバーメドレーが定番だったが、今年は大人の事情で邦楽カバーのみに。「冬の稲妻」(アリス)でオリジナル曲とは違った表情を感じさせて観客を驚かせると思いきや、さらにサプライズが続いていく。なんとその場で選んだ楽曲にコーラスやハーモニーをつけて遊ぼうという、リハーサルなしの無茶ぶりも! 「DOWN TOWN」(SUGAR BABE)をステージ上で主線やリズムなどを振り分けして歌い上げる、ベテランの彼らだからこそできるパフォーマンスも飛び出した。
続いてはKANのソロステージ。彼のステージ衣装といえばアメフトユニフォームが定番だが、この日の衣装には“YOSUKE@HOME”の文字が。自身も参加していたアコースティックユニット・Cabrellsのメンバーで、2019年に急逝したヨースケ@HOMEの名を背負い、本当は昨年のイベントで歌いたかったことやメンバー同士で作り上げた歌詞について語り、「Chu Chu Chu」(Cabrells)をボーカリスト3人でカバー。さらに最新アルバム『23歳』に収録されているピアノバラード「エキストラ」では“大好きです 好きです”と、繰り返される言葉に胸が締め付けられる。配信ライブ映像ではキーボードを弾く運指や感情豊かに歌う表情まで、ぐっと間近で観ることができるのがいいところ。切ない楽曲の世界観がさらに臨場感たっぷりに染みわたっていく。
イベント中盤ではさらなる特別企画が。“風ハミ”はハーモニーをテーマにしていることから、生配信でライブを楽しんでいる人も一緒に歌おうと、再び「愛は勝つ」を、今度はカラオケアカペラで披露することに。主旋律を観客に、しかもテレビやモニターで観ている観客に歌わせるという前代未聞のステージ。しかも間奏はドイツ語Version,だし、KANが歌詞をカンペで見せていくし(歌詞のアレンジやおふざけもあり!)、大ネタ小ネタ満載でサービス精神が旺盛すぎる!
さらに根本、KAN、馬場、そして杉山の4人が企画した配信ライブから生まれた楽曲「4人はアイテル」も披露と、今だからこそのラインアップで魅せていく。
杉山清貴のソロステージでは、アコースティックの弾き語りで「あの夏の君と」「月に口付け」と感情豊かに歌い上げていく。と、すんなり終わるわけもなく、ミニコントで馬場がカルロス・トシキならぬ、カルロス・“トシヒデ”になりきって登場。そして「君は1000%」(1986オメガトライブ)を杉山が初歌唱するという、なんとも特別すぎるシーンも‼ まさかのシーンにSNSが大いにザワつき、“満足度1000%”なんて思っていたが、ステージはここでもすんなり終わらない。
「ちょっと待った―――!1000%で満足か?」と、ここでシークレットゲストの堀内孝雄が登場!披露したのは「君のひとみは10000ボルト」!もちろんここでも“風ハミ”メンバーのコーラスが入った豪華なコラボだ。実は堀内孝雄と根本はデビュー当時は同じ事務所に所属する、先輩後輩の仲。大ベテランの堀内からすれば、馬場はもちろん、KANも杉山もまだ若手か。大先輩は「手抜くんじゃないよ?」とピシっと気合を入れつつ、「遠くで汽笛を聞きながら」を歌いあげる。4人の重厚なコーラスもばっちりで、美しいメロディがより際立つ。
イベント後半はスターダスト☆レビューのソロステージ。名曲「トワイライト・アヴェニュー」から、昨年リリースしたファンクなナンバー「はっきりしようぜ」と新旧のナンバーをアコースティック編成で響かせる。今年でデビュー40周年を迎える彼らが打ち出す、今だからこそ鳴らせるサウンド、歌詞がぐっと心に刺さって離れない。
ステージはその後「すべての悲しみにさよならするために」(KAN)、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(馬場俊英)、「ふたりの夏物語」(杉山清貴&オメガトライブ)、「愛の歌」(スターダスト☆レビュー)と、各々の名曲陣を全員でセッションしていく。会場には観客の姿はないけれど、画面の向こうで共に口ずさんでくれているだろう観客を想い、全力でプレイする姿に嘘は一切ない。実は配信ライブとなると、現場で鳴らされる楽器の音量はさほど大きくはない。それでも4人の歌い手たちの声は会場にしっかりと響き、美しいハーモニーを描き出している。
そして最後は「風のハミング」のために制作された「靭のハミング」へ。本来なら観客のハミングがあってこそ完成する楽曲だが、配信ライブでもそれは変わらない。メンバーはいつものライブのようにステージの周りを歩きながら歌う。観客のいないテニスコートの真ん中で響かせる歌やハミング、歌詞にある情景をよりリアルに感じさせ、思わず目頭が熱くなる。ラスト、テニスボールが跳ねるように、爪弾くギターの音色が大雨の会場に響き、ステージは終幕へ。
昨年のイベント中止から100%のリベンジとはいかないまでも、ようやく実現した今回のイベント。来年こそは都会の真ん中、広い空の下、開放感たっぷりの「靭公園 MUSIC FESTA FM COCOLO 風のハミング」で大勢の観客とハミングしたい。
Text by 黒田奈保子
Photo by 田浦ボン 渡邉一生
Photo by 田浦ボン 渡邉一生
SONG LIST
- 「愛は勝つ(アカペラ)」by KAN/スターダスト☆レビュー/馬場俊英/杉山清貴
- 「さよならのオーシャン」by 杉山清貴/スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「ブルーバード〜僕は夢の影のように」by 馬場俊英
- 「ケムシのうた」by 馬場俊英/KAN
- 「冬の稲妻」by スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「DOWN TOWN」by KAN/根本要/馬場俊英/杉山清貴
- 「Chu Chu Chu」by KAN/スターダスト☆レビュー/馬場俊英/杉山清貴
- 「エキストラ」by KAN
- 「愛は勝つ(カラオケアカペラ)」by スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「4人はアイテル」by 根本要/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「あの夏の君と」by 杉山清貴
- 「月に口づけ」by 杉山清貴
- 「君は1000%」by 杉山清貴/スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英
- 「君の瞳は10000ボルト」by 堀内孝雄/スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「遠くで汽笛を聞きながら」by 堀内孝雄/スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「トワイライト・アヴェニュー」by スターダスト☆レビュー
- 「はっきりしようぜ」by スターダスト☆レビュー
- 「すべての悲しみにさよならするために」by KAN/スターダスト☆レビュー/馬場俊英/杉山清貴
- 「ボーイズ・オン・ザ・ラン」by 馬場俊英/スターダスト☆レビュー/KAN/杉山清貴
- 「ふたりの夏物語」by 杉山清貴/スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英
- 「愛の歌」by スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴
- 「靭のハミング」by スターダスト☆レビュー/KAN/馬場俊英/杉山清貴