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物見遊山

門上西林 物見遊山 【#319/2022.11.12】[11.12 sat]

<今夜のトークテーマ>
『書評・評論』

<西林選曲>
Everything is Sound (La La La) / Jason Marz

<門上選曲>
恋するガリア / スイングル・シンガーズ

<ラストソングの選曲テーマ>
「手帳」
セレクター:西林初秋
誰より好きなのに / 古内東子

門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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これまで読んできた書籍のなかでいちばん多いのは小説です。中学2年でめざめてからは、わかるかわからないかは別として、ずっと読みあさってきました。今回のテーマである「書評と評論」はあまり手をのばしていない分野。それでも心惹かれる作家をより深く知るために、著者や著作の周辺を書いた評論は読んできました。つまり狭く、深く。偏愛の深淵へ導いてくれるのがわたしにとっての書評と評論なのです。
今年は立原正秋に傾倒しました。いつかの「3千円1本勝負」の際に、門上さんが話題にされたのが再読のきっかけ。20代によく読んでいたのですが、それ以来とんとご無沙汰で、何度か本を整理したときに単行本も文庫本も処分していました。しかし久しぶりに手にとると穴に落ちました。なかでも純文学と中間小説の間で揺れ動いていた魂の震えは昭和の作家ならではの葛藤で、評論を手にとらなければうかがい知ることができなかったでしょう。小説だけで開かない偏愛への扉。書評と評論がノックもせずに開放してくれました。

<西林初秋>