物見遊山
門上西林 物見遊山 【#261/2021.10.2】[10.2 sat]

毎月最初の土曜日のトークテーマ『映画』
今回は『食に関する映画作品』
●今夜の選曲●
<西林選曲>
Get Out and Get Under the Moon/Nat King Cole
<門上選曲>
最后のダンス・ステップ/あがた森魚 with 緑魔子
●ラストソング/テーマ「食」
セレクター:門上武司
Sukiyaki / A Taste Of Honey
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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夜の落語会へ出かけるときは、何も食べないで向かうのが常。噺のなかに食べ物は必ず出てきて、終演後はそのどれかを無性に食べたくなるからです。絶品の「包丁」を聞いた夜などはうなぎ屋さんへ駆け込まずにはいられません。
映画にもそんなときがあります。「007」を観たあとはバーへ寄ってウォッカ・マティーニをキュッといきたくなるし、「花様年華」の後は汁そばとちまきが食べたくなります。単純なんですね。
さて今回、「食と映画」でお喋りするにあたり、自宅にある小津安二郎作品をすべて見直したのですが、観終わってから立ち上がってきたのはとんかつでした。普段、あまり食べない料理こそ襲われたときのインパクトは大きいもの。東京にいたら、小津監督が愛した、上野御徒町の「蓬莱屋」へ走るのですが大阪だとそういう訳にもいきません。翌日の昼、市内のとんかつ屋へ向かったのは言うまでもありません。それにしても小津監督はとんかつが好きですね。「秋刀魚の味」でも佐田啓二と同僚の吉田輝雄が話し込むシーンはとんかつ屋さん。そこで若い吉田輝雄に「おいしいですね、もう1枚いただいてもいいですか?」とおかわりをさせています。とんかつを2枚なんて私にはとうていできない芸当ですが、小津監督には普通だったのでしょうか。
さて、この「門上西林物見遊山」も本日の放送から6年目へ歩を進めます。これもひとえにリスナーのみなさまの応援のお陰です。ありがとうございます。引き続き、ご愛顧、よろしくお願いいたします。
<西林初秋>