物見遊山
門上西林 物見遊山 【#147/2019.7.27】[7.27 sat]
一冊の古本から始まる話の旅。
話は転がって広がって。
本の内容は勿論、
時代背景なども垣間みることができる『三千円 一〝本〟勝負』。
来月の最終週の土曜日もお楽しみに。
※今回ご紹介した本は、
大阪・もりのみやキューズモールの「まちライブラリー」で
読んでいただくことができます。
<まちライブラリー ホームページ (もりのみやキューズモール)>
http://machi-library.org/where/detail/563/
●今夜のお届けした曲●
M① 風は止んだ / 小田和正 ......... (門上選曲)
M② Red Wine, Mistakes, Mythology / Jack Johnson
........ (西林選曲)
M③ Over The Rainbow / Harry Nilsson
(エンディング・ソング) ....… (門上選曲)
※今夜のエンディング・ソング選曲テーマは『虹』
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は門上さんです。
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古本屋を意識したのは、いつのことであったか思い出していました。確か中学生のことだと記憶しています。当時は谷町3丁目にある船場中学校(現在は廃校になりマンション)に通っていました。仲の良い同級生が本好きで、彼は北新地の料亭の御曹司で料亭の3階に住んでいました。放課後彼と梅田で映画を見たり「眠眠」で餃子や焼き飯を食べたりするのですが、現在大阪駅前ビルが並んでいる界隈は、まだ闇市の名残があったのです。そこに数軒古本屋があり、二人で北杜夫や石坂洋次郎の本を買ったものです。この二人の作家が僕たちをつないだとも言えるかもしれません。その後、この古本屋は駅前第一ビルに入り、後年初版本などを扱う店に変貌を遂げるのです。ここ店で僕に古本の探し方や古本屋との付き合い方を学んだのです。当時僕は二浪の少年でした。その人から「お前は何をしているのか?」ち聞かれ「二浪生です」と答えると「大丈夫、俺は三浪して大阪市大に入ったから」と話されたのです。当時駅前第一ビルに4軒あった古本屋が、通販専門の一軒だけになってしまいました。いまでは懐かしい思い出です。
<門上武司>