物見遊山
門上西林 物見遊山 【#128/ 2019.3.16】[3.16 sat]

今夜のトークテーマは
【片岡義男 傘寿直前企画・「あとがき」で辿る片岡義男の世界 Part 2】
●今夜の選曲●
M① Go Home Girl / Ry Cooder ................. (西林選曲)
M② Deep Purple / Nino Tempo & April Stevens ....... (門上選曲)
M③ 桃色吐息 / 佐藤 隆 (エンディング・ソング) ....... (西林選曲)
※今月のエンディング・ソングの選曲テーマは『ピンクあるいは桃色』
今回の『放送後記』の担当は西林さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
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「荒野にいたときより、シカゴにいたときの方が寂しかった」。カーステレオ「ロンサム・カウボーイ」のCFのナレーションに片岡義男を起用したのは、コピーライターの秋山晶です。「男は黙ってサッポロビール。」「精神力だけではテープは切れない。」「その先の日本へ。」「時は流れない。それは積み重なる。」「野菜を見ると想像するもの。」など、すべては秋山さんのコピーです。
この二人には共通点がたくさんあると思っていました。どちらも1930年代生まれ。アメリカ文化への傾倒。渇いたロマンティシズムを内包する、形容詞を限りなく省いた文体。スタイルを持っていること。そして未だ現役であること。この二人は出会うべくして出会い、あの作品が生まれたのでしょう。
さて、その「ロンサム・カウボーイ」のCF。舞台はモンタナの砂漠。人物はウォーレン・オーツ。音楽はライ・クーダー。そのナーレーションに片岡さんが登場することで、ピースはすべて揃いました。映像はCFというより、短編映画のよう。才人たちのパッションとそれを許容できた時代の潤いがカタチにした名作です。ありがたいことに、YouTubeに60秒バージョンがアップされています。いろいろなことに疲れた夜、グラスを片手に観ることがあります。そのときはハイボールではなく、スコッチのストレートを相棒にしたくなるのです。
<西林初秋>