物見遊山
門上西林 物見遊山 【#63/ 2017.12.16】[12.16 sat]

今夜は「食で振り返る2017年」。
門上さんの「〝おいしい〟ということは、どういうことなのか」という問い、
それに対する西林さんの答え。
その後の二人の会話のグルーヴ。
寒い夜ですが、部屋の温度が1℃くらい上昇したような気がしました。
●今夜おかけした曲●
M① You May Dream / Sheena & The Rokkets......(西林選曲)
M② Maria Lisboa / Amalia Rodrigues……..(門上選曲)
M③ Try A Little Tenderness / Michael Buble
…… (ラストソング_門上選曲)
※今月のラスト・ソングの選曲テーマは『クリスマス』
※今回の『放送後記』の担当は西林さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
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レストランへ行くより、居酒屋へ行く回数の方が圧倒的に多く、旅へでると絶対的に多くなります。地元の方にオススメの店を教えていただいて、仕事を終えるとその居酒屋へいそいそと向かうのです。ときに記憶に残る1品と出会うこともあって、そんなことが起きるとその町は私にとって特別な場所になるのです。
長崎のバー「セラーランプライター」で、マスターの後藤さんに翌日の相談をしたところ、相変わらずの控えめな声で「『こころ』という店ですね。運がよければ『箱ふぐの味噌焼き』がいただけるんですよ」と教えてくれました。
もちろん出かけました。そして運良く、お目当ての1品もありました。大将によると「箱ふぐの味噌焼き」は五島列島の郷土料理で、箱ふぐの肝と内臓をていねいに取り除いて、そこに取り出した肝とシメジやタマネギなどの野菜をあえたものを詰め込んで、箱ふぐの表面に味噌を塗って焼いたもの。熱々の肝あえにスプーンを突っ込むと、その奥から白い身がでてきて、それらをクチュクチュ混ぜていただくと、淡泊なのにコクがあって、塩味の後から甘味が現れて、日本酒が止まらなくなります。箱ふぐの皮は硬いので、なんだかカニの甲羅をほじっている気にもなって、「ここに熱燗を入れてもおいしいよね」と大将に言うと、「お客さんでされた方はいらっしゃいませんが、ふるさとではおやじたちがそうして飲んでいましたね」と顔に笑顔が広がりました。酒呑みが考えることはどこも同じということでしょうか。今度、訪れたときは、カニの甲羅酒ならぬ、箱ふぐの皮酒を楽みたいと思います。
<西林初秋>