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「やっぱし橋が好き」は、余部鉄橋をご紹介♪[11.6 sun]

橋にまつわる歴史や魅力をご紹介するコーナー「やっぱし橋が好き」。

兵庫県香美町にある、山陰本線の旧余部橋梁、通称「余部鉄橋」


余部橋梁の歴史は、1912(明治45)年、
山陰本線の香住~浜坂の開業と共に始まりました。

この区間の開業により、
京都と出雲市が一本の線路で結ばれました。



通行に困難なこの区間では、
深い谷の高低差をどうしてもパスすることができず、
国内最長のトレッスル橋が架けられることとなりました。

全長309.m、橋脚の高さ41.m、集落をまたいで
東西の山に架け渡された非常に規模の大きな、
トレッスル式の鉄橋です。

そう。余部鉄橋は珍しい「トレッスル橋」です。
トレッスル橋は橋脚が、アルファベットの「A」の型。
側面が二等辺三角形のように見えます。
誰かさんのズボンのような末広がりのようですね?

アメリカより輸入した鉄材を使ったそうですが、
櫓のように組まれている橋脚は、勇壮な景観です。
これはぜひみなさん、下から見上げてみてください。圧巻です。

同じ形式で似た外観の例が、熊本県 南阿蘇鉄道の立野橋梁、
こちらもかっこいいですね。

設計は古川晴一さん。

トレッスルの組み立ては、大変な手間と技術が必要な
リベット接合でした。
リベットの総数は6万8千本だとか。
足場を組んで、作業をされていたことだとおもいます。
そのリベットもぜひ間近でご覧ください。









橋ができた当初そこに駅はなかったのですが、
皆さん歩いて渡られていたということで、
相当なご不便があったと思います。

そして、ようやく昭和34年に餘部駅ができましたが、
決して忘れてはいけないのは、昭和61年の悲しい事故。
犠牲になられた方の慰霊碑があります。

海沿いの高い位置の橋梁ということで、
強風の影響による運休が相次ぎました。

そして、老朽化にともない、2007年から、
新たなコンクリート製の橋の建設がスタート。

新しい橋は、鉄橋の真横に設置され、
およそ3年半の工事を経て完成。
2010年の7月に、鉄橋をわたる最後の列車が通過した後、
線路が切り替えられました。

かつての鉄橋は、餘部駅のある西側の一部が橋脚と共に残され、
観光スポットとなっています。

建設当時の姿を残した貴重な土木遺産として、
土木学会推奨の土木遺産にもなっています。

残っているのは橋脚11本のうち、
3本がそのまま、4本が土台付近の一部。

2013年には、
鉄橋の一部が、展望施設「空の駅」へと変身しました。

全面ガラス張りのエレベーターで、高さ41mまで一気に上ると、
日本海と山々の紅葉を楽しむことができます。

(エレベーターからはかつての鉄橋が間近に見られ、
これは興奮せずにはいられません)


今年の紅葉の見頃は、10月下旬~11月上旬。

日本海はすぐそこ。
海の波の音も駅や橋のあたりから聞こえてきて
とても気持ちいいですよ。


駅にはかつての橋梁の一部がベンチとして置かれています。
また近くの「道の駅 あまるべ」には、お土産として、
餘部鉄橋歴史の一片シリーズという
余部鉄橋の鋼材で作られたグッズがあり、

リベットの文鎮などもありますので、
橋マニア、鉄道ファンの皆さんはコレクションにいかがでしょうか?








橋にまつわる歴史や魅力をご紹介するコーナー「やっぱし橋が好き」。
兵庫県香美町にある「余部鉄橋」をご紹介しました。