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CIAO 765

アンダルシアの犬と、鬼の首[7.7 mon]

Buongiorno a tutti! (ブオンジョルノ・ア・トゥッティ)
こんにちは。
どうも、僕です。野村雅夫です。

不定期ではあるものの、かなりの頻度で世に出る本があります。それは、ショートショート作家の田丸雅智さんの愉快な小説。いろんな出版社と仕事をされていますが、光文社から春に出ていたのが、この1冊『いつ? 何時何分何秒? 地球が何回まわったとき?』。

このフレーズ、小学生の頃、学校でドヤ顔で言ってる奴がいたなと即座に思い出しましたよ。会話の流れで「それはいつなのか?」という疑問が生じた時、鬼の首でも取ったような顔で、厳密にはいつなのかと問い詰めてくる、あれ。イラッときたもんだ。

この短編集は、そんな誰もが一度は口にしたり耳にしたりしたことがあるフレーズや常套句をモチーフに、名手の田丸さんが物語を編んでいったもの。他にも、「雷が鳴ったらへそを隠せ」なんてのがありますよ。梅雨明けからゲリラ豪雨に見舞われることの多い状況で読むのは、とても面白い体験でした。「夜、口笛を吹くと蛇が出る」とか「雨女」とか、「退会ページが見つからない」なんて現代あるあるまで、全10本。

この常套句をそのまんま受け取って表現するという手法は、シュールレアリズムにもあったような。思い出したのは、ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリが1928年に発表した短編映画『アンダルシアの犬』。久々に見返そうかな。

そして、この文章で僕が使った慣用句「鬼の首を取ったよう」ってのも、田丸さんにかかれば、ユニークな話になるんだろうなぁ。

今週も、聴ける範囲でのおつきあい、まずは今日のおやつタイムの15時まで、よろしくです。