CIAO 765
『わたしを忘れないで』の忘れがたい余韻[3.27 mon]

Buongiorno a tutti! (ブオンジョルノ・ア・トゥッティ)
おはようございます。
どうも、僕です。野村雅夫です。
日本の漫画文化は、言うまでもなく世界に冠たるものだし、質も量も圧倒的なだけに、世界のそれに対する興味についてはもっと知られる余地があるように感じています。アメコミは映画の影響もあってファンが日本でも増えましたが、たとえばヨーロッパ圏の作品はまだまだな状況だし、僕も詳しくないです。
それでも、イタリアにだって優れた作家がいることはある程度知っていて、作品にも接しています。僕も翻訳者の端くれとして力不足を感じていたところに、今週僕が新しい訳本を出す出版社、太郎次郎社エディタスでこんな漫画を見つけました。
『わたしを忘れないで』
アリックス・ガラン著 吹田映子訳
ベルギーの作品です。これはフルカラーで、いわゆるグラフィック・ノベルに分類されるようなもの。認知症のばあばを施設から連れ出した主人公のクレマンス。祖母の過去にまつわる場所を目指して旅に出ることになったのはいいものの、そもそも外出を禁止されていただけに、とんだ騒動に発展します。老いと家族と喪失とセクシャリティーと生きる意味と… 練りに練られたコマ割りと、シーンによって変わる絵のタッチと色合い。すばらしい読後感でした。
そして、勇気も覚えましたね。僕もイタリアの質の高い作品をさらに読み込んでみようと思います。
今週も、聴ける範囲でのおつきあい、まずは今朝11時まで、よろしくです。