番組ブログ最新の番組情報をお届けします

CIAO 765

読後の達成感と満足感たるや! #まちゃお765[9.6 mon]

Buongiorno a tutti! (ブオンジョルノ・ア・トゥッティ)
おはようございます。
どうも、僕です。野村雅夫です。

先月の夏休み中の読書。ようやく読破できて達成感と満足感でムハムハしていたのが、阿部和重『ブラック・チェンバー・ミュージック』です。

なんか、正直、味も素っ気もない表紙ですよね。これにはわけがありまして、版元の毎日新聞出版からリリース前にいただいていたサンプルなんです。だったら、出版前に投稿しろよって話なんですが、なにしろこの本の読み応えがすごいのなんので、すっかり遅くなってしまいました。なにせ488ページありますから。

中条省平氏がこの小説に寄せた言葉は「これは阿部版『愛の不時着』かとも思わせる純愛物語になり、ほろりとさせられてしまう」。

そうなんです。朝鮮半島とアメリカの外交関係、そして日本の暴力団に翻弄される、ひとりの落ちこぼれ映画監督。彼が巻き込まれるのは、とあるヒッチコック論のテキスト捜索。共に奔走するのは、北朝鮮からやってきたという名前もわからない女性。

それこそ、ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』ばりに手に汗握るし、主人公が不憫。でも、文体は軽やかでしばしば笑いがこみ上げるのです。阿鼻叫喚のシーンもあれば、確かにホロリとさせられることもある。最後には、「どうかまだ終わらないでくれ」と思わせる阿部和重の筆致とストーリー・テリングの妙に魅了されました。オススメです。

今週も、聴ける範囲でのおつきあい、まずは今朝11時まで、よろしくです。