ap bank fes '05

'05/07/18(月・祝)@静岡県掛川市 嬬恋・多目的広場/スポーツ広場

三日間出演
BANK BAND
櫻井和寿(Vo&G)
小林武史(key)
山木秀夫(Dr。)
小倉博和(G)
山本拓夫(Sax)
亀田誠治(Bass)
四家卯大strings(Quartet)

GAKU-MC
Salyu
一青窈
Mr.Children

ゲスト出演
16日〜井上陽水/EveryLittleThing/トータス松本
17日〜スガシカオ/中島美嘉/ポルノグラフィティ
18日〜スキマスイッチ/Chara/浜田省吾


三日間に渡って開かれた、ap bank fes' 05
朝の9時に集合して802のスタッフとともに車で向かいました。
途中三回ほど休憩をして、嬬恋に到着したのは1時過ぎ。
ご飯がかなり美味しいという評判で、特にカレーはかなりいける!
と聞いた私たち、お腹をすかせてバスを降りた瞬間!
「カレー売り切れました〜」という一報がスタッフのもとに。。。あへ〜。
(でも、他にもいっぱいお店が出ていました。)
カレー、カレーと呟きながら向かった会場の入り口には、各方面への夕方から最終までの新幹線の時刻表が出ていました。(なんて親切。。。)
そして風の心地よく吹き抜ける道を通ってスポーツ広場へ。
ここがオーガニックフードエリア。
日頃からオーガニック素材を提供しているお店から、初めてオーガニックに挑戦するお店まで、様々な料理を暑い中作っていました。
中には「ソーラー発電中」とかかれた店もあり、調理も自然の力を使っていたようです。
そして食事を運ぶ食器類は、しっかりとした紙のような素材。
ジャガイモのでんぷんを使って作ったお皿をはじめとして、『土に返る』ものを使っているそうです。麺やご飯が底の部分にくっつくこともあったけど、だか
らこそ丁寧に一粒をとったりして。。。
熱いものもお皿を持つ手に伝わることなく、しっかりとした容器でした。
フォークやスプーンは使わず、割り箸が基本。
そして使い終わったら分別してゴミ箱へ。
スタッフが丁寧に「それはこっちで〜す。お箸はあちら」と教えてくれました。
(FESでは当たり前になっている光景ではありますが、やはり、暑いのに、ありがとうございました!)

ライブは4時からほとんどオンタイムでスタート。
一部と二部に別れた構成で
まずはBANK BANDが登場。
いやはや、まいりました。。。
なんと一曲目はKANさんの名曲のひとつ<プロポーズ>!!!
詞の内容もちょこっと嬬恋バージョンにアレンジされていて、
笑顔で優しく唄う櫻井さんも楽しそう。歌詞の中に出てくるsaxも山本拓夫さんが吹いてくれて、こりゃたまりません。
そして次が大好きなPillowsの<ストレンジカメレオン>
この二曲で心は大騒ぎの私でした。。。

そしてこのバンドを母体に、ゲストボーカリストが登場。
まずは一青窈さん。
エンパイアシルエット(胸のすぐ下で切り替えになっている)の長いワンピース。
さらさらふわふわとして、気持ちいい風をまとっていました。
彼女の衣装はいつもため息が出ます。(個人的にいつもどこで買っているのかなぁ?と聞きたくなるほど美しい!)
細い腕には肘の上まであげたホワイトバンドがアクセントに。
いつ聞いても心にストレートに響くこの二曲を、
櫻井さんのコーラスつきで唄ってくれました。
そして小林さんのピアノが似合うこと!!
彼女の唄は言葉一つ一つを丁寧に風に乗せるように運んでくれました。

Salyuはいつもの通りくるくるとした笑顔(ほんと全身笑顔!)で登場し、
一曲だけ披露してくれました。
もう一曲聴きたかったなぁ。
大きな空の似合う彼女の曲は、やはり野外で聴くのが格別です。

そしてその二人をコーラスに「女性二人をコーラスに唄うのが夢でした」なんて言いながら今度は櫻井さんのボーカルによるM6<情熱の薔薇>
はじけるようにステージを走り回っていました。

「子分が二人で来たみたいで、リハーサルもすごく楽しくできた」と櫻井さんが呼び込んだのがスキマスイッチ!
彼らがMr.Childrenの大ファンなのはご存知でしょう。
櫻井さんと並んで唄う大橋卓弥さんと、小林さんと一緒にキーボードを奏でる常田真太郎さん。ちょっとの緊張と、隠しきれない喜びを携えての登場。
照れた笑顔で緊張をかき消すように「うたいま〜〜す!」と大きく宣言して
<全力少年>。櫻井さんと唄って聴かせてくれました。
そしてまたもやこの曲の素晴らしさを魅せつけた<奏>
イントロは櫻井さんのギターではじまり、その上に卓弥くんの唄。。。
すばらしい<奏>でした!うん。

そしてなんと
卓弥さんが「この曲は僕、櫻井さんよりもいっぱい唄ってますよ。」と言う
Mr.Childrenの<虹の彼方へ>!
三日間通しての唯一のミスチルカバーだったそうです。
抱き合って(HUGして)挨拶し、ステージを去る時、小林さんと握手した
常田くんがちょっと感動であふれた涙をぬぐったように見えました。
これは私の勘違いかもしれないけど、でもそうだったような。。。
あふれる喜びが私たちをも笑顔にしてくれるいいステージでした!

続いて櫻井さんが呼び込んだのはCHARA!
同世代という言葉を使っての紹介は、かつてデビューしたばかりの頃、
「CHARAって知ってる?」と一生懸命その魅力を話してくれた櫻井さんを思い出しました。
「加藤さん絶対好きになると思うよ」との言葉にすぐ買いにいった1stアルバムは、
レコードだったらすり切れるほど聴いたし、そして二枚目のアルバムは(東京の番組で)
毎週「今週のCHARA!」なるコーナーのような感じで全曲かけまくったのでした。
そんなことを思いだしながら、きく<MILK>は優しかった。
そして映画皇帝ペンギンの主題歌である<光の庭>を披露し、
期待していた通り小林さんの鍵盤で<Swallowtail Butterfly~あいのうた>!
去年はRISING SUNで野外で聴いて「やっぱり外で聴くと気持ちいいなぁ」と浸ったこの曲。今年は「やっぱり小林さんの鍵盤で聴くと最高だなぁ」
小林さんのピアノは、スクリーンにうつる指先をみていると、決して
たっくさん弾いている感じがしないのに、音がいっぱい聴こえてくるのです。
澄んだ優しい美しい音。。。

そのCHARAもコーラスに加わり、GAKU-MCが登場。
『ap bankのapは<artist power!>
そして<alternative power>のap!
そして昨日発見したんだ、<audience power>のapでもあるんだ」
と会場を湧かせてくれました。
そして聴かせてくれた<昨日のNO,明日のYES>が楽しく響きました。

「スキマスイッチはMr.Childrenを聴いてくれていたように、
僕は中学生の頃からこの人に憧れて、こんな大人になりたいと思っていた」
いつか対談したことがあって、その時「いつか同じステージに立ちたいな」と言われたけど、その時の僕はまだステージはあまり音楽をやっているという感じ
がしなくて。。。
でも今なら同じステージ立っても楽しめるのではないかと思います。
と紹介したのが浜田省吾さん。
今度は櫻井さんにちょっとの緊張と隠しきれない喜びがみえました。
さすがの存在感で魅せてくれた浜田さん。
まずは<マイホームタウン>
彼の唄を山木秀夫さんの抜けたドラムの音で聴くのは格別!
そして拓夫さんのSAXがかっこいい!
NEW ALBUMからも一曲<THANK YOU>聴かせてくれて、そして懐かしいアルバムから<家路>。
あっという間の時間。。。

ミスチルを聴いてきたスキマスイッチと、浜田さんを聴いてきた櫻井さん。
同じステージに立つ感動は、ライブ前から楽しみにしていた私たちの想像以上に大きなパワーを生み出したようで、
その感動と余韻を残したまま唄った<HERO>は大きく心をふるわせました。

途中、涙があふれて唄えなくなった櫻井さんの顔は、大きなスクリーンに映し出され、
代わりに会場から歌声が聞こえた瞬間。
思わず後ろを振り返って会場を見渡すと、その後ろには綺麗な夕焼け。
大きな空には、太陽が家に帰るように夜が迎えにきていました。
それに続いて聴かせてくれた<糸>。
このap bank fes’05はまさに
縦の糸と、横の糸を丁寧に紡いで出来上がったFESなのだと感じました。
日本では前例のないArtist主導の、環境フェス。
audience の一人となれた私達もその繋がりを感じながら、そこから自分たちの生活につなげていきたいものです。

そしてFESは20分の休憩をはさんで後半へ〜〜
スタッフと私は喉が渇いたので、冷たいポカリを購入。
多目的広場の下にはファストフードが用意され、飲み物も充実していました。
(ポカリを買ったのは、きっとあの曲をやってくれるだろうから、
買っとかないと!!という私の勝手な決め込みでした)

後半はMr.Childrenのライブオンリー。
ほんの数曲かな?とおもいきや、なんと一時間ちょっと、全13曲を熱演、熱唱でした。
それまでのステージでずっと唄い続け、ギターを弾き続け、
そして笑顔を大放出だった櫻井さんも、またちょっと違った引き締まった顔に。
そして「Mr.Childrenです!」と挨拶。
途中「この曲は10年ぶりにやる曲で。。。」という言葉で、
大好きな<OVER>のイントロ。
(思わず前に飛び出してしまった)そうか。。。10年もやってなかったっけ。。?
と前に聴かせてくれたライブを思い出しながらも一緒に口ずさみ、
終わっちゃう。。。と思った後に、またもや、思わず後ろを振り返って
かとまきちゃんと、うひゃ!と笑顔になったのが<雨のち晴れ>
へへへ。(なんでかとまきが後ろ?とでかい私を思い出し、不安になる方もいるでしょう。
ほんのちょっと坂になっていて、私は下に降りていたからです。だからまきちゃんもちゃんと観れましたよ!)
楽しい二曲でした。
そしてここからは、一気に思いのこもった〜FESの想いを表すような選曲で釘付けにしてくれました。
<I'll be>はアルバムバージョンで。優しく始まるこの曲は言葉一つ一つがゆったりと、届くのです。(ジュビロの選手が勢揃いしていたので、聴けるかなぁ?と
思っていたけど、三日間とも演奏したようです。)
この曲のJENのドラム。。。かっこよかった!
みんなの演奏ががっちり一つになって、広がった一曲。

<CENTER OF UNIVERSE>はスクリーンに大きな地球が映り、その前で横向きで唄う櫻井さんは地球に向かって唄っているようでした。
「世界はすばらしい♪」の言葉から、ラストナンバー<IT'S A WONDERFUL WORLD>へ。

BANK BANDのライブだけでも満足で、大きな気持ちを抱えて家路につけたのに、
この後半のMr.Childrenのライブがこれまた、よかったのです。。
一緒に唄って盛り上がる楽しさも勿論あったけど、彼らから発せられるメッセージを全身でしっかり受け取るような、そんなライブでした。

そしてアンコールは出演者全員でテーマソングである<to U>
曲に入る前に小林さんから、出演者、スタッフ、フードエリアで頑張ってくれたスタッフ、
そしてここに参加してくれた皆さんにお礼の言葉。
ほんの少人数の志が、このような大きな形になるまでには、色々大変だったのではないでしょうか?
営利目的ではない、ということを言わずに表現することもとても難しいものでしょう。
でも、小さな力と気持ちがしっかりと少しずつ繋がって、このFESという形になったのです。
その中の小さな小さな繋がりになれたこと、参加できたことを光栄に思います。

一つの志しにそって多くの人が集まっている、
その一本の筋が通ったかっこよく美しいFESでした。

空の美しさ、緑の優しさ、唄の素晴らしさ、美味しいもの。。。
その全てが私たちの毎日の生活に繋がっている。
この三日間で多くの人が喜びや楽しさを通して繋がることができたのではないでしょうか?
その繋がりを、今度は私たち自身が大切にしないと。

と思いながら車に乗り、家路についたのですが、帰りのインターチェンジで。
お夕飯を食べながら、ゴミを捨てようと思ったら、
分別されていないのです。
うううううむ。どこに捨てたらいいのかな?とスタッフと悩んでいたら、
お店の方が「全部一緒に捨てていいですよ」
ふむ。
きっと分けてくれる方がいるのでしょうね。。。
でもちょっと不安になった帰り道。
夏フェスの会場を一歩出たとたんに、いつも考えてしまう私でした。

 

 

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