奥田民生ひとり股旅スペシャル@広島市民球場

'04/10/30(土)午後4時ちょっとすぎ、10分すぎくらいに試合開始。

朝起きて、カーテンを開けたら、昨夜心配した降水確率90%を吹き飛ばすように、
雲の間に青空が。。。
それを見て思わずやったぁ!と叫んでしまった。
広島の街は奥田さんでいっぱい。
駅やホテルには奥田さんの上半身アップのポスターがあちこちに貼られ、
「広島をもっとたのしむのだ!」の文字とともにすぐに目に入ってくる。
むさし、といううどん屋さん(おにぎりがおいしいい。。。。)でお昼御飯を食べた
のですが、そこでは「民生弁当!」と店先に貼られ、制服を着た男の子達が、それに
興味をそそられて、覗いている姿も。
当日は広島名物路面電車『ひろでん』の車内アナウンスが奥田さんの声になった限定
直行便が4便運行!
これぞ凱旋ライブ、なんだな、と故郷のあることをうらやましく、カッコ良くおもい
ながら、街をぶらぶら。
ライブまで数時間あるのに、前日からそのわくわくが高まるばかりでした。

午後には青空が広がり、暑い!
球場に入って空を見上げた時、思わず「わぁ〜」と声を挙げてしまう程空がきれいで、
三塁側一階から見上げる空は、球場の壁の形に丸く、魚眼レンズでみるように大きく
みえました。
風もなく、雲もとまったまま。まさに丁度いい、気候。
まるで、ここだけ、晴れてくれたような。。。そんな広島でした。
さすが、の奥田民生。この強運は、今日の日まで頑張ったスタッフの心を軽くさせた
でしょう。そして、彼はその全てを抱えて、ひとりぽっちで三万人プラススタッフを
酔わせてくれたのです。

ライブ開始。
うぐいす嬢のアナウンスで、「一回の表、1番、奥田民生」と流れると、
球場のバックスクリーンから登場。
いつものひとり股旅の姿、頭に手折る、そして作業衣を着て、ゆっくり歩きます。
中央(マウンドより少しはずれたところ)に作られた円形のステージの上には、
カメラ数台、ギターいっぱい。そして少々の機材が待っている。
そこまでゆっくり、しっかりと歩いていく奥田さん。
その距離はベンチからマウンドまでピッチャーが歩いていく距離よりも遥かに長く、
大きな拍手のなか、どんな気持で向かっているのだろう。。と想像するとその男らし
さにどきどきしました。
そしてゆっくりとステージにあがり、ゆっくりとギターを選んで、待たされたギター
をこれまたゆったりとチューニング。
気がつくと、ホームには審判の姿をした舞台監督がすっくとたっていました。
長年のおつき合いである彼の「プレーボール!」のかけ声で試合開始!

一曲目は何で始まるのだろう???と色々想像を膨らませて期待していたけれど、意
外な、でもかっこいい始まり!<ふれあい>でした。
(球場に(広島に)くるまでは、想像つかない曲でしたが、この曲を唄われて、
ここにくるまでの間の光景を思い出し、なんてぴったりの一曲目だろうと感じてしまった。)

そして<荒野を行く>と続く。
三曲目には新曲!いつもステージに上がる時に感じるスリルをうたったような
詞で、今まさにこんな気持だったのかな?と想像してしまうような曲。

ライブの中には奥田チームの(スタッフの)センスあるジョークがそこかしこに溢れ
ていて、愛を感じました。
先述した審判の格好をした審判姿もそうだし、一曲が始まると少しして、
曲名がスコアボードに表れるのです。
ひとり股旅ではいつも何を演奏するのか、その場の気分で決めると聞きましたが、
今回もきっとスタッフがイントロで曲を確認し、そしてスコアボードに載せるのでしょう。これがピカピカ光って、ちょっと面白い。
おまけにタイトルの省略の仕方が面白い。
(<アーリーサマー>はやはり<ありさま>と平仮名に、そしてカバー曲は原曲のアーティスト名<フジファブ><アジカン>と。。)

<スカイウォーカー>は本当に気持良く、青空を見上げて聞いてしまいました。
なんて素敵な曲!頭の上に広がる青空と重なって、心の中でぐわ〜〜と広がるラブソ
ングでした。
(この青空を忘れないだろうなぁ。と思う程、風はぴたっと止まり、その青さが美し
かったのです。。。)

そんなこんなで、この10年に生まれた名曲を、ギターを取りかえながら、席を移動
しながら(円形なので、どちらの方向もまんべんなく向いてくれました)
そして、もちろんユニコーン時代の曲もほんのちょっと。
(ひとり股旅ではお馴染みの♪ブルース♪はボサノババージョンで。)

表の攻撃10点入れたところで、カバー曲に入ります。
なんとフジファブリックの<桜の季節>!
(後できいた球場に来ていたメンバーは知らなかったそうで、「あれ?なんだっけこ
の曲。。あ、おれたち!」と感動したそうです。嬉しかっただろうなぁ。。)

アジカンの<君という花>、陽水さんの<最後のニュース>と続く。。。
この最後のニュースはかっこよかった。。。涙でました。
ので、次のカバーは、さらにそのセンスが光った!
最後のニュースの後、その余韻にひたっていると、美しいギターのイントロ。
あまり聴かないタッチ。。。
と思ったら、会場から笑い・・・掲示板には<冬ソナ>とでました。
そう、あの曲<最初から今まで>をあま〜い声で、心地よ〜くやさし〜〜く、唄って
くれたのです。韓国語で。(韓国語を知っている人が言うには、かなり撥音は正しかったそうな。さすが耳がいいのでしょうね。撥音は勿論、唄い回しもきっちりとマスターして唄っているようでした)
これはうけた!
さすが奥田さんのセンスです。しかもその声があま〜く、優しいのです。
こんな声があるんだ。。。と。(この声で自分のラブソング作って
唄って欲しいなぁ。)
ここで表の攻撃は終了!
今回はいわゆる表の回、裏の回と攻撃がありまして、
表の回には14曲(14点)がスコアボードに残り、15分ほどの休憩が入り、
裏の回には12曲。
そしてアンコールで3曲。
全部で29曲!

裏の回は、リリーフカーに乗って楽しそうに登場!
始まりは吉田拓郎さんの広島弁の唄<唇をかみしめて>。
そしてその後が<人間>!このつながりはじ〜んと来ました。
そして<The STANDARD>いい声で、素晴らしい唄を聴かせている後ろで、密かにスコアボードに<ダード>と表示。。。唄い終わって発見し、ちょと、笑ってしまいました。奥田さんも振り返って「ダードって。。」と笑ってました。)

そして「ちょっと長い曲ですが。。。」と言って、やってくれました!
<ひとばっか10.30>!!
つまり、ニューバージョンのひとばっか。(今回は<さすらい>は少なめになってま
したが)
これまでの名曲の一部分をつなげてつなげて、新たな曲に生まれ変わらせるニューバージョン。アルバムのキャンペーンも忙しかったのに、よく作れますね。。。
しかも、今回も面白かった。
あまり繰り返し同じフレーズをうたわない奥田さんが、三回半もくりかえしたのが
ありがとう、スカイウォーカー、を繋げ、<E>で落とす部分。
(男の人、女の人?どっちだろ〜?どっちでもE♪)
これは笑いました。多分この曲はこれ一回限りなのでしょうね。もったいない。。
(個人的には、「机にひとばぁ〜っか〜」が参りました。)

ここからは一気に感無量!の場面へ。
<イージューライダー>は皆が口ずさみ、そしてサビの部分は皆が唄い、その後、
本編ラストを飾ったのが<さすらい>。
曲の途中の『ど〜なんだぁ♪ど〜〜〜なんだぁ♪』は会場から自然に声が上がり、
一緒に歌えて嬉しかった。この曲の最後の声は、叫ぶように唄い、天高く伸び、かっ
こよかった!
終わった時の奥田さんの表情は、感動でした。男泣きじゃないけど、ちょと目がうる
んでいたのでは?(でも涙は見せないのがかっこいい!男だなぁ)

二回目のアンコールまでの間、会場ではWAVEが起こり、風船があがり、素晴らしい光景がひろがりました。
なんだか広島球場が笑顔で一杯で、すごく素敵な場所だったなぁ。。。
温かいんだよね。人の温かさがいっぱいの場所だったのです。

アンコールはベンチから登場して、聴かせてくれたのは<すばらしい日々>
唄ってくれないかなぁ。。と思っていたので嬉しかった。
今の奥田さんが唄うこの曲は、個人的にはその月日の流れも感じました。

そしてアンコール二回目。
<冬ソナ>〜「せっかく覚えたから」とまた唄ってくれた!
そして。。。<CUSTOM>
この曲はいつもライブで聴くとその大きさに感動しますが、今回は更に大きかった。
一人で、ギター一本で唄っているのに、どうしてでしょう。
一曲目<ふれあい>ではじまり<CUSTOM>で終わる。
曲はある程度考えていたにしても、
その場その場で決めていてよく起承転結をつける曲順になるなぁ。
とくにこの最初と最後の締まり方はステキでした。

大好きな曲もいっぱい<野バラ><MOTHER><人間><たったった><羊の歩み>
。。。。聴かせてくれて、そして両手を上に突き上げ、大好きなギターを持ち上げる
姿も観れました。
この日の奥田さんの声は三時間ずっと安定していて(いつもだけど)、その声の素晴
らしさを改めて感じました。

アンコールが終わってから、花火が上がり、球場をスタッフとともに一周!
ゆっくり歩き、手を振り、サインボールをスタンドに投げる姿は、
ライブの余韻を感じながらゆっくりとこの楽しい時間を終わりにちかづけてくれまし
た。
その時のBGMはユニコーンの時から流れているBGM<ブルームーンギャラクティカ>
〜タイトルたしかではありません。ごめんなさい。〜のなんとオーケストラバージョ
ンでした!!

スタッフに胴上げされる民生さんは、ちょっと涙ぐんでいるような感じもしましたが。。。どうなのでしょうね。
見ている私達は感動で、そして曲の素晴らしさで、何度も涙がでて、笑顔になりまし
たが。

一人のアーティストの夢を叶えようと、沢山の人が集って、ひとつひとつ丁寧に、作ってきた日々が見えるライブでした。
そしてそれを受けて(抱えて)、この日に、ひとりぽっちで挑むその姿は、素晴らし
かったです。
奥田民生という人間が、いかに魅力的か、そして
その周りにはどれだけ愛が一杯なのか、感じられる素敵なライブでした。
ありがとう。。。

 

一部(表の攻撃)
1ふれあい
2、荒野を行く
3、新曲
4、スカイウォーカー
5、ブルース
6、羊の歩み
7、野ばら
8、たったった
9、イオン
10,アーリーサマー
11,桜の季節
(フジファブリック)
12,君という花
(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
13,最後のニュース(井上陽水)
14,冬ソナ/最初から今まで

二部(裏の攻撃)
15,唇をかみしめて
16,人間
17,TheSTANDARD
18,息子
19,MOTHER
20,ラーメン食べたい
21,陽
22,人ばっか10,30
23,青春
24,花になる
25,イージュー☆ライダー
26,さすらい

アンコール
1、すばらしい日々
2、冬のソナタ/最初から今まで
3、CUSTOM

 

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