高野 寛「確かな光」

'04/04/09(金)@SHIBUYA-AX

雨の音がして、ちょっとだけ雷も。。。そんなSEが入ると、メンバーがステージへ。

ステージの後ろのスクリーンはブルーに。
雨の音が静まってくると、、、高野さんのギターの音。
このギターで晴れ間が出てきた感じ。
KEYは雨雲の間からまっすぐに射す光。
そして高野さんのギターの音がキラキラキラキラして、風に揺れる光のよう。
また、この曲で聴く高野さんの声の低音が素敵でした!!
一曲目でいきなりひきこまれ、音の色の気持良さに自然に身体が揺れます。
M2でコーラスの有里知花さんの声の美しさを感じました。
彼女はコーラスはあまり経験が多い方ではないでしょうが、やはりその声の透明感に
は溜め息が出ます。高野さんの声とよくあうのです。

2曲を終わらせると、まず、メンバー紹介。
「初めてのメンバーだけど、レコーディングを一緒にしたメンバーで、
なんだかずっと一緒にやっている感じ!!」
今日でこのメンバーとのライブが終わってしまうのが淋しいかのように、
ゆっくり丁寧にメンバー紹介。
bass:鈴木正人(little creatures)
keyboards:斎藤哲也(Nathalie Wise)
drums:沢田周一(SUPER BUTTER DOG)
chorus: 有里知花「新曲唄います!」と言って聴かせてくれたのが
M3停留所まで

このライブでは本当に色んな光を見ることができました。
たとえば、一曲目の雨あがりの雲間からさす光。
この新曲では<夕暮れのひかり>
(M7では)スペインの教会の窓からさす柔らかいひかり。
(M14では)春のひかり、そして。。。
と、一日の光の色の違いを感じさせるようなライブでした。
(モネの作品みたいにね)

「去年くるりの主催のイベントに呼ばれまして、予告無しに彼らの曲をうたったら、
(会場が)固まりました。今日は固まらないでね!」
そういって唄ったのは<ばらの花>
シンプルなDrのリズムと、BASS&ギターのメロディ。
最後に飲むジンジャエールがサイダーのように甘いしゅわしゅわっとした、
高野さんの<ばらの花>でした。

メンバーはステージ裾に入り、ギター一本で高野さんの弾き語り。
MCで五年ぶりにソロアルバムをリリース。その五年間で何度もこの(AXの)ステージに立ったことを語ります。その時はこの位置じゃなくて、ギタリストとして〜というお話。
「ギタリストとしてステージ立つのも結構好き。
動き回れるしね。ふふふ。そういうことじゃないね。」
笑いながらチューニング。
「ギター弾いていると、結構海外に行けるんだよね。ミヤのライブでスペインにも行ったし。。。こうやってチューニングしながら喋っていると、フォークシンガーみたい
だね」そう笑いながらも、なんとなく恥ずかしそうにギターへの愛情を表しているよ
うでした。

そして「スペインで色々音を録っていました。」
その音ととギターだけで、M7
鐘の音、トリの鳴き声。。。すると後ろのスクリーンにはステンドグラスの教会の高
い窓が映し出され、その窓から柔らかい光がもれはいるように、ギターの音。
美しく、気持良かった。。。会場の空気が清浄されたようでした。

その後、ギターとBASS,DrだけのインストでM8
ドラムなのにココロくすぐる音、WOOD BASSなのに繊細な優しさ。
でもキレのイイリズム。このインストはかっこよかった!

M10再びKEYが入ったこの曲はNatalie Wiseの魅力を感じます。
(きっと流れ(スピード)とキメ(ブレイク)の気持良さがあるからでしょう。)
そして<言葉にならない、声がとどかない>という曲が続きます。「古い曲うたいま
す!」と言ってM11いつ聴いてもカラフルな曲です。

そしてまた声の曲。
「みんなの声を聴かせてください」といってM13。
この曲の素敵なところは、高野さんのハミングのような静かなはじまりから、
最後がとても大きく広がっていること。
大阪では唄いましたか?私は唄いました!大きな声で唄いたくなる、そして唄うと更
にこの曲の魅力が解る、そんな曲です。
♪声なき声♪も〜気持があれば〜あつまると、強い明るい力になるのです。

そして、「最近ニュースなどを見ていると、自分が捻れてしまいます。
音楽で何ができるのかわからないけど、今日みたいに楽しい一日がすごせるように、
そんなことを考えて音楽をやっていこうとおもいます。
アルバムの大事な一曲目。。。」
といって、あのイントロの鍵盤とギターの音でM14へ。

この曲を聴いて、そしてアンコールの2曲を聴きながら、
自分の中に発見がありました。
光、って、私の中では今まで、<未来>をさすようなものでした。
雲間から射す光も、太陽の光も<未来>のイメージなのです。
でもね、今日思ったのです。
自分の中の過去の思い出も、キラキラした光のようなものだなぁ。。。と。
あるようで、なくて、ないようで、しっかりとそこにある。
そして、この<確かな光>という曲は、未来と過去の間にある、現在=今(この一瞬)
の光りのことなんだな。。。なんて。(言いたいこと、わかります?実は一人で興奮
しています)

アンコールは先週(4/4)の番組のラストナンバーにしたEC1.
そして森の中の光りを感じさせるEC2
この森の中というのが、ちょっと暗示にかかったように美しくて、
ステージの色は深い碧色になり、その深い闇夜に星がいっぱい輝いたのです。
それみていたらね、自分の過去に輝く思い出と重なって見えたのでした。

ということで、色んな優しいひかりをココロに浴びた夜でした。
ココロに灯がさすと、色々見えるものですね。

SET LIST

1、Ripe Of Green
2、1.2.3.4.5.6.7days
3、停留所まで
4、KAORI
5、Beautiful
6、ばらの花
7、喜びの歌
8、Another Proteus
9、Sunshine Superman
10,声は言葉にならない
11,ベステンダンク
12,All over, Starting over
13,hibiki
14,確かな光

encore1,夢の中で会えるでしょう

encore2,美しい星

 

BACK