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バンドメンバー
guitar:山弦=小倉博和 佐橋佳幸
wood bass:渡辺等
percussion:三沢またろう
violin1:金原千恵子
violin2:栄田嘉彦
viola:古川原 裕仁
cello:堀沢 真己
802のお誕生日に企画した<日本の名曲を歌おう!>と
世代を超えたミュージシャンが集ったライブ。
日本の音楽シーンには欠かす事のできない存在である二人のギタリスト
<山弦>が中心になり、様々な名曲を聴かせてくれました。
それぞれのアーティストが選ぶのはどんな曲なのか、
そしてどんなアレンジでその歌声を聴かせてくれるのか、
どきどきわくわくで、アッと言う間の三時間でした。
いつもなら奥に深くステージを設けられる大阪城ホール。
今回はボックス席を正面に、横に長く、そして低く設置されたステージで、
360度お客さんが入っていました。
ステージ左後ろにはソファが用意され、順番を待つアーティスト、
歌い終わったアーティストもそこに在住!
ヒロさんからライブ前に「近いところに見えるけど、話し掛けないようにね」
などとお茶目な注意も入るほど視界良好でした。
スクリーンは使わず、音楽をストレートに楽しむ形。
でも、オープニングだけは特別。
なんと、ビデオレターが届いたのです。
それも加山雄三さんから!
「本当ならそこにいるはずなんだけど、どうしても東京を離れられなくて。。。
とても残念です。
今日は厳選されたポップス、心に残っている曲が出てくると思います。」
加山さんとは個人的にお仕事を御一緒させていただいた事があるのですが、
本当にTVでみたままの爽やかな、やさし〜い方です。
(自然にすっと歌って、ライブも楽しいのです!)
で、その加山さんから山弦を紹介。
「二人が僕の曲を演奏してくれます。ああ、いきたいな〜。
では<お嫁においで>聴いて下さい。」
いつの間にかステージに上がっている佐橋さんと小倉さん。
あの優しいギターの音がして、
パーカッションのまたろーさん(フラワーでプレゼントした一言暦の作者です)
とBASSの渡辺さんも入って<お嫁においで>でライブがスタート!
そして出演者全員ステージに登場し、小倉さんから紹介。そして奥のソファへ。。。
まず、一番バッターは。。。
宮沢和史
山弦との会話ではアルゼンチンでカバーされ、ヒットしている島唄の話に。
アルフレッド・カセ−ロさんはどんな人だった?と質問すると、宮沢さん、
「え〜ふとっちょでした」
そして沖縄に引き付けられて12年の宮沢さんが歌ったのは
ちあきなおみさんが歌っていた<さとうきび畑>
またろーさんのパーカッションが風を起こし、甘い香りが漂ってくるようでした。
玲葉奈
薄いブルー(多分。。)と黒のアオザイで華やかに登場。
美空ひばりさんが49年に歌った<悲しき口笛>と77年の大貫さんの名曲<都会>
ひばりさんの唄は「まっ先に歌いたい曲として上がった曲」
大貫さんの曲は「歌詞が大好き」
玲葉奈が初期歌謡を歌うと、セクシーでありながら可愛いのだ。
大貫さんの曲は都会の色がクールだけど、暖かい色になっていました。
元ちとせ
京都でのフリーライブという贅沢な時間をファンにくれた今日、さらに素晴らしい歌
声を聴かせてくれた彼女。
選んだのはあがた森魚さんの<冬のサナトリウム>
声がす〜っと会場に広がり、澄んだ冬の香りが広がりました。
「強い味方を呼びましょう。山崎まさよしさん、おにいちゃん」
と呼び込み。
「ある意味、山弦です」たしかに。。。
山崎さんのギターとのデュエットで、山崎さんの名曲<名前のない鳥>
御本人も好きだとおっしゃっていたこの曲は、
元ちとせさんにかなりの影響を与えたそうです。
コブクロ
登場して最初に笑わせてくれたのがMC。
「後ろで座っていて、僕ら席が離れちゃって、ばらばらに座ってたんですけど、
仲が悪いと思われてへんかなぁ。。。と心配だった」
「歌い終わった宮沢さんが帰ってきて<緊張した〜>とか言うんですよ。
ものすごいプレッシャーですよね。」
その宮沢さんが後ろから何やら声をかけ、黒田君が取りに言ったのが、
宮沢さんのピック。「無言のプレッシャーだよ、これ。。。」
去年ブームの万博でのライブで共演して以来のとても仲のよい関係がみえました。
その、宮沢さんのピックで聴かせてくれたのは、まず、
小渕君が選んだはっぴえんどの<しんしんしん>
子供の頃に聴いた曲で、初めて日本語でロックを歌った曲。。。これは二人だけの演
奏でした。
そして山弦バンドとストリングスがステージに戻り、黒田さんの選曲。。。。
「この人みたいにライブができればいいなぁと思った人で、
今でも壁にぶつかるとライブを観ると色んなものを教えられる」
という尾崎豊の<I LOVE YOU>
本当にこの曲が好きで、何度も歌いこなしてきたんだろうな。。。と思う感動の一曲でした。
SAKURA
後ろのソファでは膝を曲げて足を抱えながら座って、リラックスしながら
他の人の唄を聴いたり、一緒に口ずさんでいたSAKURA.
コブクロの唄に酔いしれた会場が、彼女の登場で一気に明るくなった。
関西弁での「ただいま〜」
彼女の声、喋りはなんだかな、ほっとして笑顔になる。
「私が歌うとしたら、子守唄とかメドレーかなぁとおもって。。。」と、
手のひらを太陽に〜夕やけこやけ〜ゆりかごの唄〜僕は生まれた
をメドレーで、そしてメドレーの後、74年YUMINGの<12月の雨>を歌ってくれた。
こういう曲を、自分の子供達に伝えていかないといけないなぁ。。。
と本当にリラックスして聴いてしまった。
そして山弦のアレンジのこれまた素晴らしい事!
12月の〜は山弦と三人で聴かせてくれた。
そういえば、SAKURAの<LOVE ON WINGS>の中で山弦と共演していたっけ。
佐藤竹善
「カラオケフリークの僕としては、何を選ぼうか悩みました。
子供の頃に何となく聴いた曲で、大人になってから
歌舞伎町のサウナで聴いた曲です。
和モノのいれずみをなさった方が居て、壮絶な状況できいてインパクトが強く、
その後僕のカラオケの定番になりました。
周りに居た人に感謝の気持ちを込めて。。。」
と歌ったのが<さよならをするために>72年のビリーバンバンの曲である。
(マ−キーサンも番組中熱唱してたっけ。。。)
そして
「時間ですよ!の挿入歌だった曲で、当時はコードもなかったので、
ラジカセをTVの前に持っていって録音した。
その時おやじがおならして、一定の所にくるとおならの音がする。。。」
こういうのって、憶えていて、その曲聴くとそこで音が聞こえるんだよね。
で、堺正章の<街の灯>。
左手をポケットに入れてマイクを持って歌う竹善さんは、
本当に最高級生バンドでカラオケを歌っているようでした。。。
でもいい声。
そして嬉しそうに紹介したのが。。。
松たかこ
今年一緒にお仕事した松本隆さんの作詞曲、<赤いスウィートピー>
名曲です!
松さんの生の声は細そうにみえて、実はしっかりとしている。
声のだし方がしっかりとしているから、言葉も伝わるのだ。
そしてスペシャルゲスト、忌野清志郎さんを呼びこむ。
自転車に乗ってステージに登場。
真っ白なスーツに真っ赤なシャツと、真っ赤な靴。
マ−キーサンが『日本だ』とおっしゃっていたけど、そうかもしれない。。。
松さんのお父様が市川染五郎さんの作詞、作曲、そして歌って67年にヒットした曲
<野バラ咲く路>をデュエット。
(これまたマ−キーさんが何度も歌ってくれた。。。)
ここで、ひと休み。
山弦のお二人で、1.5枚目のアルバム<INDIGO MUNCH>に収録されている、
はっぴいえんどの71年の曲<夏なんです>
大阪城ホールで、二人のギターが響く。
隅まで届く。
気持ちいい。
うれしいなぁ。。。こんなことができる802はやっぱりかっこいい!(あれ?)
リクオ
これがまたかっこよかった。
ピアノがセッティングされ、弾き語りで<氷の世界>
73年の井上陽水さんの名曲。
リクオさんのカバーの定番曲で、気持ちいいスピードと流れで進んでいく。
圧倒的なパフォーマンス。歌い終わってすぐ立ち上がりおじぎするのも
リクオさんならでわ。
そして共演といえば、玲葉奈。
(彼女のアルバムでも共演しているが、フラワーのライブを思い出してしまう。。)
選ばれた曲はなんと、スーパーバタードッグの<さよならCOLOR>
いい曲!!!!
小倉さんのスライドギターも入って、なんとも言えないアレンジ。
淋しくて、ちょと辛くて、でも優しい曲。
玲葉奈の声がこれまた心をくすぐるのです。
そして「子供の頃聴いていた曲が、浜口庫之助さんの曲が多かった。」と
石原裕次郎の67年に歌った<夜霧よ今夜もありがとう>
4拍子のボッサ風にして。。。
渡辺美里
山弦とは古いつきあいの美里さん。
お二人ともそれぞれツアーやライブでおなじみです。
そんな関係だからこその堂々たる歌でした。
まずは1940年の李香蘭の<蘇州夜曲>
(フラワーでは<イエライシャン>をかけましたね。
改めて彼女の歌を聴きたくなった私です)
美里さんは五年生の時ラジオで聴いて大人になったらうたってみたい。。。
と思った曲だそう。
そして山口百恵の<いい日旅立ち>
小倉さんも参加していたオーケストラと共演した<うたの木>ツアーを思い出した。
アナム&マキ
今回特番BBSで一番人気だったのが、彼女達。
素晴らしかった。
まずは吉田拓郎さんの89年の曲<落葉>
ギターを弾く姿がやはりかっこいい。
女性でこれだけ様になったらいいよなぁ。。。
そして中島みゆき83年の<ファイト!>
すばらしい!
この曲を歌える人って、中島みゆきさん御本人以外にはいないと思う。
(あ、三代目魚武濱田成夫さんがカバーしていたのはよかった。)
関西弁に変えて、でもすんなりと自分達の曲のようにしてうたった。
それはそれは感動で、涙がでてきた。
あとから聴いたら「あの曲符わりが難しいんですよ〜。
人のうただからこそ、そしてあの詩だからこそ、言葉を大切にして歌いたかった」
と教えてくれた。
その通り、まっすぐ、言葉が胸に来た。
そして宮沢和史さんと三人で75年河島英五さんの<酒と泪と男と女>
「小学校高学年の時初めて聴いてその時は意味がわからなかった。
アナムのお父さんが、どんな気持ちでこの曲を作ったのか、いまもまだわかりません
が。。。いつか二人と一緒に歌いたいなぁ。。。と思っていました」
男じゃいから、だからこそ感じられることもあるんだな、だから名曲なんだな、と改めて思った曲でした。
聴くタイミングによって曲は変わるものだが、歌うタイミングによっても変わるのだろう。
10年前の宮沢さんが歌ったら、また違うのだろうな。
山崎まさよし
いきなりギター無しで山弦の演奏で座って歌いはじめたのが
91年の小泉今日子さんの<あなたに会えてよかった>
歌いながら妙な手ぶりが可愛かった。
ちょっと恥ずかしいのかもしれない。。。
でもいい歌だな。
「さよならから始まる曲。。。小林武史さんの曲ですね」
と付け加えたのも、山弦のお二人と小林さんの関係を知っていてのことだろう。
スーパーチンパンジーのメンバーである。。。
因にこの曲は小林さんがレコード大賞のアレンジ賞作曲賞を受けた曲だ。
そして男のさよならの曲。
堺正章の71年の<さらば恋人>
曲の終わりにはメンバー紹介をして、「歯みがいたか〜」と全員集合していた。
あいかわらず会場を持っていくのがうまいなぁ。。。
出てくるだけで幸せになるもんね。
この曲では山弦のお二人のコーラスも入り、それがまた美しかった。
三人のギターと声が一緒になるのを聴くことができるなんて。。。
後から聴いたが、山崎さんは「本当にたのしかったぁ〜勉強になったァ〜」とのことです。
アンコール
会場から不思議な二人が登場。
スペシャルゲストのアルカイダーズ。
省略させていただきます。。。。因に清志郎さんと三宅伸治さんでした。
ステージに上がり二人で<上を向いて歩こう>
誰もが知っている61年の坂本九さんの名曲。
清志郎さんのSAX と三宅さんのギターまたろうさんのPerで聴かせてくれた。
メンバーを再び清志郎さんが呼び込みアンコール。
<雨上がりの夜空に>80年
盛り上がる。。。この曲は何度大勢のミュージシャンで歌われてきたのだろう。
そして皆嬉しそうに歌うから、会場もみんな歌うから、盛り上がるのだ。
本当に多くの人に愛されている曲だ。
そしてステージには山弦の二人。
最後は二人で。。。
79年のSASの<いとしのエリ−>
桑田さんが二人を引き合わせた。
お互いのことは知っていたけど、初めて会ったのは桑田さんのソロの仕事だった。
その二人が、今大阪城ホールを幸せにしてくれている。
敬意と愛がこもった演奏だった。
山弦が弾くと、曲が喜んでいるように聞こえる。
音楽っていいなぁ。。。と心から感じてしまう。
今日、一人のアーティストが聴きたくて会場に来た人もいるだろう。
そして何曲もいい曲、日本語の美しさを感じただろう。
それだけで、本当に音楽を好きでよかった。。と思える夜になったのではないでしょうか?
13回目の802のお誕生日。
みんなと一緒に音楽の素敵さを感じる事ができました。
ありがとう。
そしてこれからもよろしく。。。
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