川本真琴 King size bedroom tour 2001

'01/12/1(土)@東京 渋谷AX

今回のツアーラスト。三年半振りとなるライブ。
会場は(またもや)AXホールだった。
オープニングアクトのDJヒョウエイが出てきた。
「こんばんわ。川本真琴さんのオープニングアクトをやらせていただきます」とかなんとか御挨拶の後、2曲ほど聴かせてくれて、
「ありがとうございました!」
と丁寧に挨拶をして帰っていった。
そのままライブに流れ込むのかな?と思っていたが、BGMが流れた。
その曲がライディーンだったので、余計おかしく、なんだか可愛く思えた。

川本は真っ白のシフォンのような柔らかいワンピースに白いタイツ、そして膝下まで編み上げの白いブーツ。(胸の所にリボンがついていたが、それは長いスカーフのようなもので、三曲目では首に巻きなおしていた。なかなかそのアクセントが綺麗だった。)

一曲目はキーボードに座って唄い、2曲目、ギミーシェルターでは白いワンピースとは正反対のエレキを抱え、金髪の頭をがんがんに振っていた。
この曲ですでに今回の川本のライブの魅力が出ていた。
パンク、ファンク。

番組に来てくれた時、「今度はね、バンドっぽくなるよ」
と教えてくれたが、確かに今大阪の友達ともバンドを続けている影響もあるのか、バンドっぽく、ハードだった。

かと思うと「懐かしい曲やります」
と言って演奏してくれた<ハート>では明るくポップなハートを聴かせてくれたり、たった一人でピアノ(キーボード)弾き語りがあったり。。。

<FRAGILE>はエレピでの静かなはじまり。

が、徐々に加速して、スコーンと世界を作り、会場の空気が変わった。
シングルで聴くのとはまた違った危うさ。
一気にどこかに行ってしまったようなテンションの高さで、ここが彼女の危険な魅力の一つだろう。
そして曲が終わる直前に、いったんステージ横に消えてしまった。
メンバーも順にステージを去る。
ギターの大平さんだけがその音を響かせ続けた。
そして再び川本登場。
静かにキーボードに座る。
会場はこの曲の迫力に興奮。でも言葉が出ない感じ。
ギターの余韻と同じく心はまだ<FRAGILE>の観客。
が、しかし、さっきのテンションの高さはどこに行ったのか、
彼女は少し辺りを見回した後、鍵盤に指を落として、カットインしてきた。
<ブロッサム>である。
彼女の指が鍵盤に置かれると同時に いきなりストーンと落とされた感じだった。

対局した2曲を見事に繋げたのは、
彼女のテンションの高さなのかもしれない。
でもはかない可愛い声で唄う。
さっきまで叫んでいたのに。。。
見事であった。
あの激しさの後だからこそ、このはかなさが引立った。
キーボードだけの弾き語りで、そのまま<ピカピカ>まで聴かせてくれた。
終わったと思ったらいきなり、
「まだ、みんな来ないですね。。。」
とメンバーを探す。
だってまだ余韻が。。。皆は入れないですよねぇ。

<月の缶><LUVE&LUNA>などの曲間でフルートを吹く姿もカッコよく、その音の澄んだ強さ(フルートは激しい楽器である)が美しかった。

不思議なんだよね。
彼女の声は強く、まっすぐのびる。
前回のライブのとき以上に強くなっている。
一瞬音程が狂ったかな?と思うのだが、崩れることなくそのままいってしまう。
わざとかな?とおもわせるほど、元に戻すのが早い。
これはすごいことだ。
やはり、(音程は)狂っていないのかもしれない。
そこにまた彼女ならではの魅力の危うさが作られるのだ。

本編ラストの<DNA>はやはりリズムの重なり方が楽しい。
声も強く、まだまだ唄い足りない感じで、ステージを去っていった。
さっと手を振り、さらっといなくなる感じは
白いワンピースを着ているのに、男っぽかった。

とにかく今回の川本はカッコ良い。
パンク、ファンク。そんな感じ。
でもアンコール終了後、
まだ興奮覚めやらん観客が2回目のアンコールの拍手をする中、
ぽつんと独りステージに残り、
ポケットを探って何かを探していた。
ピックだった。
嬉しそうにそれを投げる姿が可愛く、
会場から笑い声が聞こえた。
それも彼女の最大の魅力の一つである。

ライブ終了後、髪を後ろにまとめてすっきりした顔の彼女に会った。
「物足りないでしょ?」と聴くと
「そうなんだよ〜」
「じゃ、来年はもっと長いツアーをしよう!」
「うん!そうだね」
と笑顔で答えてくれた。

<SET LIST>

1.キャラメル
2.ギミーシェルター
3.早退
4.STONE
 (MC)
5.ハート
6.
月の缶
7.オクトパスシアター
 (MC)

8.FRAGILE
9.ブロッサム
10.ピカピカ
 (メンバー紹介)
11.雨に唄えば
12.LOVE&LUNA
13.やきそばパン
14.DNA


ENCORE

1.I'm WATING for the man
2.TOKYO EXPLOTION JP

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