'01/11/28（水）@東京　渋谷AX

今回のライブは前日の大阪（心斎橋クラブクアトロ）と
東京のみの二回限定フライト。

AXホールはどちらかと言うとZEPPに近い感じ。
ステージを中心に、半円を描くような形の客席。
二階席もあり、見やすく、そしてミュージシャン側からも演りやすいそうで、できてからずっと大人気である。

演奏が始まる前からライブは始まっていた。
ステージ全面にかかったスクリーンには
搭乗便とその行き先が示されたフライト表示板。
私達が乗るのは
CAPTAIN MOOK AIR SYSTEMの＜世界旅行＞。

入り口でいただいたパンフレット（飛行機に乗ると、
座席の前のポケットに入っているような二つ折りの
パンフレット）には、
「飛行中は心のシートベルトは是非ゆるめてください」
などの注意書きがあった。凝っているなぁ。

暗転してアナウンスが入る。
一階の客席頭上に、左から右へとワイヤーで移動する
小さな飛行機。
ゆっくりと一生懸命長い距離を飛んでいて、可愛かった。
そして旅のスタート。

スクリーンはそのままに、その向こうに関口さんをはじめとして、
大勢のミュージシャン。
今回のライブはなんと総勢２０名。
スケジュールをあわせるだけでも大変だったと言う。
だからサブタイトルが＜荒海＞になったのかな？

＜希望の轍＞から静かにスタート。
HAND SAWとウクレレの音の重なりが
他の国へ行った気分に誘ってくれた。

ゲストボーカリストが次々と飛び出す。
まずはアルバムでも＜涙のキッス＞を歌っていた
（関口さんは「つまらなそうに歌って！」とお願いしたというあの曲）
LALAAが登場。
声の通りスレンダーな彼女は、身体を左右に動かしながら、
切ない顔で歌っていた。

キャプテンムックがたった独りステージに残り、
＜ウクレレ人生＞を振り返ってのMC。
＜カイロの紫のバラ＞という映画で、
ミア・ファーローがウクレレを弾いていたのを見て、
なんて可愛い楽器だ。。。と思ったのがきっかけらしい。
（私もこの作品は好きだ！）

そして古き良きウクレレ仲間＜ウクレレマンIWAO＞さん
を呼び込みます。
かつては「ウクレレ弾きます」というと、
「漫談するんですか？」と聞かれたほど、まだ知られていない楽器で、
そんな中二人で色々学んだらしい。
そして二人で
「桑田君には悪いんだけど、AAAに先駆けて、
BEATLESの曲やっちゃいます」
＜HERE THERE AND EVERYWHERE＞は嬉しかったなぁ。

続いてPetty Bookaの登場。
彼女達のボーカル＆ウクレレが加わり、
＜ウクレレカレンダー＞から＜悲しき雨音＞
そして、LEYONA登場。
最初の登場では＜風をあつめて＞を聴かせてくれた。
キャプテンはこの曲（彼女のカバー）を聴いて、
「素敵なボーカリスト！」と思ったらしい。
LEYONAは＜ミスブランニュー・デイ＞ではレゲエDJのMCを聴かせてくれた。
これがカッコイイ！
そして勿論本編ラストでは＜HOTEL PACIFIC＞。
LEYONAの声は生で聴くたびに迫力を増していくようだ。
彼女のカッコよさと、キャプテンの柔らかく、優しい空気が
安心とドキドキがいっぱいの旅に演出してくれた。

ボーカリスト以外でのゲストとして、
分山貴美子さんが素晴らしい口笛を聴かせてくれた。
女性での口笛奏者は珍しく、私ははじめて生で聴いたのだが、
これだけ強く、綺麗な音が出るなんて。。とびっくり。

とにかくこのライブでは、世界旅行、と同じで、
色んな楽器が登場する。
バンジョー、カリンバ、ウッドベース、テルミン。。。
一人のミュージシャンが、いくつもの楽器をあやつり、
それがまた楽しかった。

アンコールの拍手の間、暗くなっている会場上空では、
さっき右に飛んだ飛行機が、ゆっくりゆっくり、気がつかれないように、ワイヤーで左に戻っていた。
バックする飛行機。。。これがまた愛嬌があって楽しい！
そして何ごともなかったかのように、
再びライトが当たり、右の方へ飛んでいった。（かわいい。。。）

そしてアンコール。
「最後の曲になります！」とのキャプテンの声に会場から
「え〜〜〜〜」と不満の声。
「だって、もう練習していないんだもん。」
という正直なキャプテンに皆朗らかに笑ってしまった。

とにかく隅々まで、最後まで、ほのぼのとした優しい旅で、
（ライブで）心がすっかり暖まった。
これは関口和之さんだからこそ作れる空間で、
CAPTAIN MOOK AIR SYSTEM
でないと企画できないツアーだろうな。。。
また、どこかに連れていってほしいなぁ。