KAN CONCERT TOUR 〜2001年宇宙の家〜
'01/3/10(土) 東京・厚生年金会館

今回のKANさんのライブはここ数年間のライブとはちょっと違っていました。 歌に集中したライブ、そして本当にピアノを愛している人だなぁと改めて感じたライブでした。(ディレクターは「ピアノマンですね」と言っていました。)今回もメモは取らずに歌いながら、聞き入っていたので、あまり正確ではないかもしれませんが、感じたことを書きますね。

ライブは遅刻してはならないもの。特にKANさんの場合ライブの始まり(登場)から終りまで何が起こるか解らないので見逃せないわけです。
今回は・・・暗転してからメンバーがステージに登場。KANさんの姿はなし。一曲目のイントロが始まり、確かにKANさんのピアノの音は聞こえるのですが姿は無し。一曲目はなんとBilly Joelの<SAY GOODBYE TO HOLLYWOOD>でした。う〜ん一曲目からカバーか・・・さすがKANさん!とうなりながらもその姿なし。
こうなったら、どうやって登場するか期待が膨らむものです。
ワンコーラス終わった当たりから、ステージ中央の奥にもうひとつのステージが!下から上がってくるそのステージには勿論ピアノを弾きながら歌うKANさん。
この登場はこれまでのライブを観たことのある人なら、わくわくさせられたのではないでしょうか?
何をしてくれるのか・・・?と思っている反面、もしかしてこの登場で期待させてそのまま終わるのか!?と思っているうちに一曲目は何事もなく終了。KANさんのライブでは、本当にどこで何が行われているかわからないほど見逃せないところが随所に散りばめられています。なので今回もわざと期待を高める登場にしたのね・・・と笑っていいのか悪いのか、でもちょっとクスッとした私でした。
そしてクスッとしたのは二曲目<TOKYO MAN>!Billy Joelに続けるとは・・・。
この曲ではオープニングの緊張から解けたお客さんが手拍子。
そして嬉しいイントロ<めずらしい人生>。
1987〜1992年の曲を集めたベストアルバム(?)の中に収録されたこの曲はKANさんを好きだなぁと思った(数ある)曲の中のひとつ。
「君の為に死ぬつもりはない。君なしで歌う勇気もないうちはただのピアノ弾きか」という正直な言葉や、最後の「終りある人生、一番大切な事は愛する人に愛されているかどうかということだ」という言葉。ひとつひとつが何か感じさせるのです。自分の人生を、そしてお父さんの死から感じたことをこんな風に曲にできることがスゴイなぁ・・・と。いい曲!!

ここで短い一言。いつもの通り深々とお辞儀しながら「最後までごゆっくりお楽しみ下さい!」
そして!!嬉しい三曲が続きます。
「秋、多摩川にて」は802でもよくかかりますが、他の二曲はアルバムの中のステキなラブソング。特に<MOON>は大好きな曲なので嬉しかった・・・。曲の後半で盛り上がるのですが、ステージの後ろに当たるライトの色が綺麗で、その優しい色が心の中でも広がっていくような感じでした。KANさんならではの優しいラブソング。
そしてMC。
久し振りのホールツアー(昨年はライブハウスツアーでした)というご挨拶があって、近況報告。
「この間、何もしていなかったわけではなく、旅行に行ったり、料理をしたり、様々な活動をしてまいりました。そして中国に行きました。今年は中国〜北京との国交10周年の年で・・・これは個人的な国交ですが・・・」と旅の話。KANさんの話は本当に楽しい。
長くなりすぎず、笑いが必ずあって・・・GAMBOを思い出してしまいます。

そしてメンバー紹介。
G、Dr、Keyの三人の紹介。
MC「95年の<東雲>というアルバムに入っている曲で、<スティーブ椀だ>が歌う為だけに作った曲です。」
(<スティーブ椀だ>はKANさんのライブに登場する、KANさん自ら演じるキャラクターの一人です。当時はレゲエロングなかつらをかぶっていた)と語り、この日はラテンバージョンで聴かせてくれました。
その曲に続いて今度はスティービー・ワンダーの<OVERJOYED>!
Perの西村さんとのデュエット。KANさんの身体が左右に揺れ、その度に顔が斜め上に上がりながら歌っているのをみるとどうしても<スティーブ椀だ>を思い出して笑わずにはいれませんでした。

MC「2001年のシングルのカップリングです。この曲は、ビリー・ジョエルさんの初期の頃のアルバムに入っていると、いいなぁ・・・。(笑った!)
でも歌詞はくら〜い気持ちになる曲(笑った!)」といって<小羊>。

次いで!!!!上のピアノに上がって・・・あ〜嬉しかった。多分94年のアルバムが出た時から歌っていないのではないでしょうか、<結婚しない二人>!!(実はこれは個人的な思い出と重なる曲で、だからこそとても嬉しかった!!)
<僕のGENUINE KISS>は今回のライブで一番なつかしいナンバー(87年)。ドラムソロの時下のピアノに移動。
いつもの弾き方で<愛は勝つ>この曲の時のピアノの弾き方(足の上げ方、広げ方など)を観るとKANさんの弾き方だなぁ・・・と思うのです。
因みに下のピアノはいつも通り、ステージに向かって左を向いて弾く形で置かれていました。(これはBilly Joelと同じ向き。音の広がりとしては反対を向く方がいいそうで、殆どの場合逆、ということを昔聞きました。)
そしてライブもラスト三曲に。名曲<REGRETS>に続いて、今年のシングル<CLOSE TO ME>。
本編ラストは<すべての悲しみ・・・>でした。
この曲は演奏される時は本編ラストやアンコールラスト!と決まっているような曲で、いつも会場のみんながまっすぐたったまま動かずに聞き入ってしまう世界を作ります。
番組のスタッフ(女性は今回初めてKANさんのライブを観て、この曲でぼろぼろ涙したようです。ライブ後にメールが来た!)
曲の余韻が広がる中、静かにアンコールを求める拍手が起こり、それがひとつにまとまった頃、再びKANさん登場。
ひとりづつメンバーを紹介しながら呼び込み、「最近みた夢」の話をしてくれました。
そして99年のアルバム<KREMLINMAN>の中から唯一演奏してくれた(90年代後半の曲はこれだけでした)<ロック試練の恋>。
これまた名曲<まゆみ>!ラストはやはりラストに相応しい<君が好き胸が痛い>(この曲は大好きなのですが、以前番組に来てくださった時、大好きな曲です!と言ったら「そうですか・・・ありがとう。では聴いてください。<君が好き、胸がみたい>と曲紹介してくれたことが拭い去れません・・・)

ライブが終わると必ず誰かが叫んで三三七拍子が起こります。
これはKANさんのライブのFUNが作ったお決まりで、なんとなく最後の最後までふふふという笑顔になるのです。
久し振りに聴くことができた曲、そしてなんの仕掛けもなく、しっかりと言葉とメロディとピアノを聴かせてくれたライブ。
いつものお笑いもタマラナイ(癖になる)魅力がありますが、たまにはこういうライブをして欲しいなぁ・・・。と思った私でした。
だって、KANさんのラブソングの良さを改めてしっかりと感じられるから。

会場の外にでて夜空を見上げたら、満月でした。<MOON>を口ずさみながら帰った私でした。

<SET LIST>

1.SAY GOODBYE TO HOLLYWOOD
2.TOKYOMAN

3.めずらしい人生
4.いつもまじめに君のこと
5.秋、多摩川にて
6.MOON
7.Sunshine of my heart
 (MC)
8.OVERJOYED
9.小羊
10.結婚しない二人
11.僕のGENUINE KISS
12.愛は勝つ
13.REGRETS
14.CLOSE TO ME
15.すべての悲しみにさよならするために

ENCORE

1.ロック試練の恋
2.まゆみ

3.君が好き胸が痛い

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