3月31日(土曜日)
<ヨドバシカメラ・マルチメディア梅田 presents FM802 SPECIAL REVUE
生きて泳げ、涙は後ろへ流せ>
を観る為に、一日はやく来阪です。
うむ。見ごたえ充分でした。
開演前、席につくと、ステージ正面に見えたのが大きな縦に長い垂れ幕。
「生きて泳げ〜」のタイトルと、その下に、
縦書きで<「三代目魚武濱田成夫」と名前。
そこにバンドのメンバーが板付になると、濱田さんが登場。
演奏なく、濱田さん一人で唄うのは『ファイト!』
あれは、歌だろうか?唄なんだな。
あれは詩の朗読だろうか?いや、メロディーついているから、唄なんだろうな。
ものすごいエネルギーで言葉をぶつけてくる。
でも、そのぶつけかたは、ぶしつけではない。
ものすごい迫力で言葉を投げる濱田さんに、会場はいきなり打ちのめされていた。
美しい。かっこいい。これが濱田成夫である。パンクだ。
そうして垂れ幕が上がり、両脇を覆っていた真っ黒い幕がはける。。。と、
表れた文字に会場が息を飲んだ。
ステージ後ろ全面に、濱田さんの文字で描かれた、
多数の中島みゆきの名曲のタイトル。
糸、命の別名、世情、空と君との間に、宙船、ニ艘の舟、タクシードライバー。。。
その文字は圧倒的なエネルギーに満ちていて、
中島みゆきさんの命ある唄を思い起こさせた。
これが、濱田さんのこれまでの作品の中で最も大きいものになった、
というこのイベントの為の書き下ろし作品だ。
その文字をバックに、中島みゆきの唄が届けられた。
言葉がもつ力が、なんと大きなことか。
今の時代に(どの時代にもですが)、そして今の自分に必要な言葉が、
ずきんずきんと胸に響く。
それぞれのアーティストがその思いを込めて、
言葉をとても丁寧に届けているのがわかった。
だからこその緊張感がうまれる会場だった。
初めて生で唄う手嶋葵ちゃんは、「大阪初上陸です!」と笑わせてくれた。
その彼女が選んだのは、「ホームにて」素晴しい選曲と、
やはり、この声は何かを持っている。そう思わせる歌声だった。
斎藤和義さんは独り弾き語りライブで「時代」これまたすばらしい。
実は、これを唄うということは聞いていたのですが。。。
さらっと、気負いなく唄うからこその重みがあった。
斎藤和義のうただったなぁ。
もう一曲は濱田さんが
「斎藤君の好きそうな曲ということで選んだ数曲の中から
<きつね狩りの唄>
こんな曲もあるんですね〜これを選ぶのがまた和義さんらしい。
さすがの選曲と言えば一青窈さん。
「幸せ芝居」と「春なのに」歌謡界に提供した2曲をセレクト。
これまた声がつややかに胸をつく。。。
KYONKYONの詩の朗読の後、ステージに残ったKYONKYONは、
そのまま座って浜田真理子さんの「アザミ嬢のララバイ〜世情」
というメドレーはなんとも贅沢。
この人のピアノと唄の関係は素晴しいですね。
距離がいい。そして曲を自分のものにしていました。
そこから、<かもめはかもめ>を聞かせてくれた。
曲が悦んでいる感じがした、そんな生演奏でした。
いつもと変わらずなのが、RIKUOさん。
こちらも自分の曲にして、唄い楽しませてくれましたね。
濱田さんは最後まで出てこず。
オープニングのあの迫力で(眼球を飛び出させる程の迫力で)
登場したことをわすれて、
次に出てきた時には「では〜今日のバンドメンバーを御紹介します」と
ものすごく腰の低い人に戻っているのがおかしかった。
しかし、彼の言葉の伝え方はやはり素晴しく。。。
最後の最後に披露した自分の詩「だから何もこわくないぜ」は発売される
『詩人 三代目魚武濱田成夫 <ANTHEMS> <NAKED>』に収録されています。
改めてその魅力に触れて下さい。
(ANTHEMS〜はバックトラック(曲)がついたもので、
NAKEDはストレートに詩の朗読になっています。
でも、聞きくらべると、表現が全く違うんですよね。。
面白いし、かっこいいです)
夜会で知り合っている濱田さんと中島みゆきさん。
中島みゆきさんは、リハーサルの時にスタジオにいらしたそうです。
そんな「肉眼では」見えないつながりがあってこその、
今回のイベントだったのでしょう。
改めて、みゆきさんの言葉を身体に感じたくなった今です
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