物見遊山
門上西林 物見遊山 【#231/2021.3.6】[3.6 sat]
毎月最初の土曜日のトークテーマ『映画』
今回は<追悼・ショーン・コネリー>
●今夜の選曲●
<西林選曲>
I'm A Fool To Want You / Billie Holiday
<門上選曲>
The Longest Day / Paul Anka
●ラストソング/テーマ「サイモン&ガーファンクル」
セレクター:西林初秋
Mrs. Robinson / Simon & Garfunkel
門上武司・西林初秋が週替わりで担当する『放送後記』
今週の担当は西林さんです。
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大人の男に憧れていまがあります。大人という年齢を超えてもなお、憧れは消えません。足下にも近づけない自分を自覚しているからでしょう。ショーン・コネリーはそんな大人の筆頭です。イメージが固まったのは1枚の新聞広告。番組でも話しましたがサントリークレスト12年の、グラスを傾ける横顔に、大人のすべて、深み、渋み、悲しみ、成熟、孤独、それよりなにより時の集積しか育みようのない年輪が現れているようで、その佇まいにシビレました。時は流れない。それは積み重なる。コピーは秋山晶さんによるもの。「商品はウイスキーではない。歳月なのだという認識をした。時間について書こう。時間は消えるものだ。誰でも概念として、そう信じている。それを否定するとコピーになるはずだ」。できあがったコピーを読んだショーン・コネリーはひとこと。「時が流れるのは悲しい」。そんなことを思わせる役者も広告も、そんなことをいう大人も少なくなりました。スコッチで献杯したい気分です。
<西林初秋>