物見遊山
門上西林 物見遊山 【#38 / 2017.06.24】[6.24 sat]
門上西林 物見遊山。
毎月最終週は、
各々が三千円を握りしめて書店に行き、気のなった本を購入。
番組で紹介する企画『三千円 一〝本〟勝負』
今夜も本の紹介を起点にいろんな話に広がって行き、
お二人の選曲は、偶然〝映画のサウンドトラック収録曲〟に。
こんなところも楽しい『門上西林 物見遊山』。
来週は『新作映画と名画紹介』です。
お楽しみに。
※今回ご紹介した本は、
大阪・もりのみやキューズモールの「まちライブラリー」で
読んでいただくことができます。
是非ご利用ください。
<まちライブラリー ホームページ (もりのみやキューズモール)>
http://machi-library.org/where/detail/563/
●今夜おかけした曲●
M① 感謝祭のごちそう / 映画:黄金狂時代から... (西林選曲)
M② Chariots Of Fire / Vangelis …………………(門上選曲)
M③ Rhythm Of The Rain / The Cascades
... (エンディング・ソング).…....(西林選曲)
※今月のエンディング・ソングの選曲テーマは『雨』
※今回の『放送後記』の担当は西林さんです。
本放送に合わせてコチラもお楽しみください。
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古本屋と酒場は似ているなと思うのです。しばしば古本屋へ足を運ぶようになるにつれてその思いは激しく、確かなものになるのです。期待して飛び込むと、肩を落として店を後にすることになる。しかしフラリと入ったときに限って、思わぬ出会いや発見があって(古本屋の場合は本であり、酒場の場合は人や会話)全身の血が沸き立つ。そんな経験すると、ああ、もういけない。古本屋を見つけると、腕時計をチラリと見てから飛び込んでしまうし、空が黄昏から夜へ向かう頃になると足は酒場へ向かってしまいます。
そしてもうひとつは、におい。店によって独特のにおいがあるのも似ているところ。古本のにおいに店の時間の集積や空気の滞留が相まって、その店ならではのにおいが醸成される。それは酒場も同じで、アルコールや煙草や人の体温やためいきや笑い声の残滓が時間とともに醸成されて、店の陰や酒瓶の背後から滲みでてくる。そのにおいにいいもわるいもなく、清潔も不潔もなく、あるのは、ただ、合うか合わないか。嗜好品ならぬ、嗜好店であることも、古本屋と酒場の共通点なのですね。
<西林初秋>