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CIAO 765

「わからない」から始まるのが科学[1.29 wed]

Buongiorno a tutti! (ブオンジョルノ・ア・トゥッティ)
おはようございます。
どうも、僕です。野村雅夫です。

なんなら、今最もホットなイタリア人かもしれない。それが、理論物理学者のカルロ・ロヴェッリです。初めて日本語でも読めるようになったのが、2015年に出た『世の中ががらりと変わって見える物理の本』でして、『時間は存在しない』などといった話題の本が続々と出版されています。

実は今、僕の会社、京都ドーナッツクラブでは、イタリアの最新書籍をまとめて紹介するリーフレットの作成に関わっていまして、そのラインナップはまだ日本で紹介されていないものというのがルール。リスト自体を僕たちが選定しているわけではないんですが、ひとつ入れ替えがあったんです。ちょうど日本で訳書がリリースされたばかりだったから、というのがその理由。

そうなんだ! で、調べたら、まさにそのカルロ・ロヴェッリの書籍、というよりも、カルロ・ロヴェッリの研究について漫画で学べる本でした。この表紙に描かれているのがロヴェッリ氏。プライベートでも交流のあるアーティストがロヴェッリその人との旅先での対話を通して科学、物理、ひいては哲学的な考察が繰り広げられる本です。

これは確かに良書! といっても、僕にはついていけない箇所も続出です。でも、いくら入門だからって、そんなにサクサクわかるようなものではないわけですよ。興味は激しくそそられるんだけれど、すぐにはわからない。だから、関連書も読みたくなる。そして、またこの本に戻る。そうやって長くつきあえそうな作品でした。

表紙に書いてあるように、「ものごとの一部しか理解できていないってわかる瞬間がある」。だからこそ、自分の常識や知覚の狭い世界の限界を突破したい。それが科学という学問の始まりなんだ!

そういや、長らく積読になっている『時間は存在しない』も本棚から引っ張り出してこなきゃ。

今朝も11時まで、聴ける範囲でのおつきあい、よろしくです。