番組ブログ最新の番組情報をお届けします

CIAO 765

犬のDJ!? オンリーワンの小説『レディオワン』 #まちゃお765[2.13 thu]

Buongiorno a tutti! (ブオンジョルノ・ア・トゥッティ)
おはようございます。
どうも、僕です。野村雅夫です。

今日はジュンク堂書店姫路店の角石さんが書籍を紹介してくれる木曜日。調子に乗って、僕も一冊、ここでひっそりレコメンドします。

斉藤倫『レディオ ワン』

仕事柄、ラジオDJが登場する物語は、小説にしろ映画にしろ好きだし気になるんですが、これは一風変わっています。

「みなさん、こんばんわん。月曜夜9時、<レディオ ワン>の時間です」とマイクに向かって話すのは、犬のジョン。日本初、いや、世界初、犬のDJなんですよ。

SFかいな。まぁ、そうなんですが、なぜジョンが喋れるのか、その種明かしもありつつ、面白いのは犬ならではのトーク。犬の気持ちを通して、不思議と人間のことがよくわかるんです。

ラジオ局の内側も描かれていまして、実はジョンが「犬のフリをした人」ではなく、しっぽをふる「本物の犬」だということを知っているのは、プロデューサーとスタッフの数人のみ。なんと飼い主も自分の犬がDJだとは知らないんです。どうしてそんなことが可能なのか。そこは読んでみてくださいな。

で、問題は音楽ですよ。DJジョンはどんな選曲をするのか。これがね、わからないんです。伏せられているんです。でも、ところどころにヒントはある。ものの、特定は難しい。要は、読み手の想像に委ねられているわけ。受け手の想像を掻き立てるって、ラジオそのものじゃないですか。すばらしい。

著者は詩人の斉藤倫(りん)。ジャンルは児童文学に入るだけあって、平易な言葉でつむがれていますが、大人にも読み応えのある小説です。光村図書から本体価格1200円で販売中です。

今朝も11時まで、聴ける範囲でのおつきあい、よろしくです。